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母親の想い

先週は私の彼の誕生日だったので、家族や地元の友達とお祝いをするために、週末彼の実家へ泊りに行った。昼も晩も友達と場所を変えてバ-べ-キュ-をした。まだまだ寒いので暖かい火にあたりながらおしゃべりをしたり、お肉が焼けていくのを見るのはとても楽しかった。日が落ちて足元が冷えてきたので私はお暇をし、先に彼のお家に帰った。

ちょうど姑がTVを見ていて、適当な映画を見ながらとりとめのない話をする。なぜそういう流れになったのかは、覚えていないのだけれど、私の旦那、Dとしよう、が相手をコントロ-ルしたがるタイプなんだよね、の話になる。そこで彼のお母さんはしんみりとした口調で話してくれた。「私の親は子供の行動は親が決めるもの、と考えていてね、幼い私はとても不自由に感じていた。だから私に子供が出来たら、出来る限り自由に育ってほしいと願っていたの。自分の子供たちには、私が持てなかったぶんまでもっと自由をあげたい、って思っていたんだよ。」

いつもは元気でおせっかいで、黙っている時間が10秒とない人なのだが、最近こういう穏やかで遠くから他人を観察するような面があることを私は発見した。彼女の話は続く「なのにね、なぜかDは相手を思い通りに動かしたがるタイプの子供に育ったのよね。面白いと思わない?コントロ-ルしたがる親の次の代は自由な親が、またその次の代は、もう一度コントロ-ルしたがる私の子供たち、不思議だよね?」歴史は繰り返す、というやつだろうか?


翌日家族の昼食卓で。彼のママと彼の話を聞いている私、でもちょっと居心地が良くない。しゅうとめの口調はキツいので、怒っているように聞こえるのだけれど、今日はまたちょっと違う。彼女の攻撃的にも聞こえる息子へのからかい方。まるで息子に料理のお皿を取ってあげるわよ、と差し出してあげて、Dがとろうとするとさっと取り上げる、みたいな。彼も持て余し気味で、正直辟易しているみたい。ここ一週間Dの私にやたらくっついてくる感じや、なんか重いなあ?と私が感じたのは、ここから来ていたのだろうか。

でも彼女は、息子のことを可愛くて仕方がないし普段は仲もよいのだ。でもこういうことは初めてではない。なんなのだろう、これは?何が起きているのだろう?とドキドキする私の心を耳を澄ませて全身で会話を聞く。
彼女の話し方や態度が火を噴いているみたいで熱い、痛く感じるけど、彼女は痛いんだな、一番痛みを感じているのは、彼女かもしれない、と思ったら、はっとした。
彼女は男性というものが嫌い。または男性を負かしたい、負けたくないと思っているんだ。
自分の旦那さんにも、その兄弟にも、すごい張り合っていつも戦っている。
彼女の兄弟とも同じだ。もう亡くなっている彼女のお父さんとの関係はどうだったのだろう、と思う。 

そのあと台所でお皿を片付けながら、彼女と私でたわいのないおしゃべりになった。又きのうの夜みたいに彼女の態度が柔らかくなってきた。
今わかったような気がする、自分の息子であるDへの態度は、長男であること、への焼きもちだって。長男であるから、全ての注目が彼に行く。彼女がどんなに頑張っても、両親の心は長男へいったのかもしれない。男性への対抗心。彼女は自分の愛情と育ちから来る習慣?のあいだで戦っているのかもしれない。        

そんなにいつも仕切ろうとしなくても大丈夫よ。長女長男がボス、じゃなくて、各々が得意なことをやればいいんじゃない?自分が上手にできること、出来ないことを認めて受け入れても大丈夫だよ。自分が苦手なことは、上手な誰かに任せても大丈夫な時もあると思うよ。そんなに自分を傷つけないで、私はあなたのことが大好き、とても大切に思っています。何か言ってあげたいのだけれど、今の私では聞くだけがせいいっぱい。こういう気持ちってどういう風に伝えればいいのだろう?

お読みくださってありがとうございました。

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