見出し画像

砂の迷宮

旅人は砂漠を彷徨い歩く。

生命いのちを潤す水を求めて、

果てなき砂漠を彷徨い歩く。

昼は灼熱の太陽に身を焼かれ、

夜は凍てつく寒さに温もりを奪われ、

それでも砂漠を彷徨い歩く。

やがて旅人は幻を見る、

生命いのちの泉の幻を見る。

近寄った先には何もなく、

それでもそこに倒れ込む。

気づいた時には時すでに遅く、

旅人は意識を奪われる。

どうして迷い込んでしまったのか、

どこまで歩けば果てが見えたのか。

何一つとして判らないまま、

旅人はそっと目を閉じる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?