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どうして薪窯で焼いているの?

こんにちは!
OHISAMAのノムさんです。
食パンって、どこのパン屋さんでも大きな違いは無いように思われがちです よねえ?
でも、パン屋さんによってその焼き方や材料って全く違うんですよ。

僕が作っているのは食パンの1種類だけです。
それを薪窯で焼いています。
え?なぜ薪窯で焼くのかって?
ご家庭や一般的なパン屋さんでは、電気やガスのオーブンでパンを焼きます。
そりゃそうです。
だってスイッチ1つでオーブンの温度やパンを焼く時間が設定できて、安定的にパンを作れるからです。
パン屋さんにある業務用オーブンともなると、焼き床が2段・3段になっていて、いろんな種類のパンを同時にたくさん焼くことができるから、とーっても便利(薪窯は1段だけ)。

それに比べて薪窯は、まず薪を斧で割り、それを窯の前まで運んで、火を着けるところからスタート。
しんどくて、それだけで疲れてしまいます。
電気代よりも薪代の方が経費として高くつくので精神的にも疲れます(涙)。

さらに燃やし始めたら燃やし始めたで、毎朝違う窯の温度や太さも乾燥具合も異なる薪を選びながら、窯にくべる量や燃やす時間を調節しなくてはいけないので大忙し!
おまけに横目で生地の発酵の進み具合を確認し続けなければならないので、朝のノムさんは、誰も話しかけないでオーラ全開です(笑)。
それでもOHISAMAは、薪窯にこだわります。

なぜかと言うと、大きな食パンでも短い時間で焼き上げることができるからなんですね。

焼くのに長い時間がかからないということは、水分とパンの風味をしっかり蓄えたまま焼き上げることができるということ。
つまり、柔らかくしっとりした、自家製の天然酵母ならではの、芳醇で複雑な香りのする食パンに仕上がります。

でも、なぜ薪窯だと短時間で食パンを焼き上げられると思いますか?
それは蓄熱された石から発せられる熱には輻射熱、つまり遠赤外線の量がオーブンと違って桁違いに多く含まれているのがポイントです。
遠赤外線には物質を突き抜けるようにモノを温める性質があるので、金属製の食パン型に入っている厚さ10センチ以上の生地でも、中心部まで熱が早く伝わるのです(石焼き芋と同じ原理)。
と、誌面の都合上、今日の話はこれくらいにとどめておきますが、ご紹介した薪窯のこだわりはほんの一部。

次回は「火で焼かなくて何で焼いているの」についてお話ししますね。