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脳内にへばりつく他人の言葉

自分のメンタルを人に左右されたくない

 そんな信念やありたい理想の自分は早々に砕け散り、他人に言われた何気ない一言、言葉が帰宅後も脳裏から離れない。離れないからこの世の終わりなのかと思うくらい気分はどんより、1番在りたくない自分の姿を自覚する。

 自分に何気ない言葉を投げかけてきたあやつは、自分の人生にとって大切な存在ではないのだ、あやつの言葉で貴重な一日を暗い気分で過ごしてはいけないなど捉え方を変えて気持ちを奮い立たせ、切り替えるべく思考をフル回転する。

 そうした頑張りは徒労に終わる。寝ようと目をつぶったとき、寝返りをうってうっすら目覚めたとき、やつの言葉は再び姿を現す。何気なくかけられた言葉が脳によぎり、再び自分のメンタルが他人に左右されていることに気付く。睡眠までも妨害、左右される。

 自分だけなのか。なんなのか。時折顔を出すいらぬプライドが邪魔をして、自分に向けられた否定的な評価を受け止められずにいるのだろう。そうだ、自分、いや人間は脆く、弱いことをまたしても忘れていた。弱いからこそ誰かに寄り添うことの大切さを知れたはずだ。弱い生き物同士、支え、助け合い、少しでも貴重な日々を前向きに希望を持って生き、正の相乗効果で負を蹴散らしたかったはずだ。弱さがうりだったはずだ・・・。

 人の言葉で傷付き、もやつくが、そのおかげでまた新たに気付くのである。
 
 感情があるから人間なのだ。生きることは、こころのざわつきを受け止めることのようだ。生きていく上で、否定的な感情は避けられない。そうであるなら、それを受け止め、深みのある人間を目指そう。様々な感情を体験しよう。そうすれば、少しでも誰かの感情を真の意味で共感、共有できるかもしれない。
 
 全く同じ経験ではないにせよ、いま、どこかで他人の言葉に苦しめられ、眠れずにいる人がいたとしたら、大丈夫。ここで悪戦苦闘し続けている人間が1人生きていることを伝えたい。

 一緒に人間くさくあろう。

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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