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「慈悲撛愍が第一の学問」(徳川宗春)

今日11月1日は徳川宗春が亡くなった日だそうです。

徳川尾張第7代藩主で、かの『暴れん坊将軍』で中尾彬が演じたことで有名な人です。
そこでは松平健演じる将軍吉宗と対立する悪役のように演じられており、実際に幕府の倹約令に背いて積極経済策を取り、当時の名古屋は繁栄したと伝えられます。
尾張藩は赤字財政だったのですけどね。

ただ、徳川宗春が幕府に背いてまでそのような藩政をしたのは彼の信念に基づいており、自身の著書『温知政要』には
「倹約するほど庶民を苦しめ、かえって無駄が多くなる」
「法令を増やして人民を締め付けると、かえって心も委縮してよろしくない」
など書かれています。

他にも『温知政要』には、
「慈悲撛愍が第一の学問」
「庶民感情を大切にした政治を」
「心の中を平穏に保つと健康になる」
「失敗は学問となる」
など、政治は「仁」を持って行うことを説き、「慈」「忍」の二字を戒めとして掲げています。
その戒め通り、庶民を想いやり社会的弱者を大切にし、宗春の時代にて尾張藩では死刑は一度もなかったとか。

だから『暴れん坊将軍』での悪者イメージとは違い、地元名古屋では今でも名君として慕われる人物です。

「慈悲撛愍が第一の学問」……人のため、人の幸せを願い、学びを進めたいものです。

徳川宗春


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