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映画 ア・ダーティ・シェイム  肯定的な感想です

ネタバレがあります。
むかし、DVDにて視聴。

あらすじを書いただけでR18指定になってしまうこの映画。
今まで見てきた映画の中で、見終わった瞬間に再生ボタンを再び押したのはこの映画とマルホランド・ドライブの二本だけ。

物凄い好きな作品だが、人を選ぶ。
というより、自分以外にこの映画を面白いと感じた人に出会ったことがない。

一人呑みを長いこと続けていると、映画好きのお酒好きと出会うことは、ままある。
中には自分と好みが全く同じ人もちらほらと。
けれど、そんな人たちがこの映画を観たいと言い、DVDを貸したとしても、ポジティブな感想は一度も返ってこなかった。
ときには貸したDVDも返ってこなかった。
そんなときにはもう一枚買った。
そんな彼女彼らに共通する感想は、いつもこれ。

「え、なにこれ。意味わかんなかった」

いやいや、意味が分からないことはないでしょ。
とてもシンプル。
シンプルに変態。そして感動。

ジョン・ウォーターズという、真面目さと変態性が同居した監督の傑作映画。
ただし、ジョン・ウォーターズはこれ以降映画を撮るチャンスに恵まれていない。
ピンク・フラミンゴもフィメール・トラブルもあまり肌に合わなかった。
でもこれだけはバッチリ合った。

ウルスラ・アダースの持て余した情熱と性欲。
性欲とは汚れなのか本能なのか。
なぜ一部の女性は、豊胸手術をしてまで巨乳にこだわるのか。
どうして世界にはこれほど多様性にあふれた変態が存在するのか。
トイレの汚物を流さずにそれを見てしまう異性に欲情する性癖はさすがに理解も真似もできない。
でも確かにそこには人間がいる。

もはや異常な領域に踏み入れてしまった人々を、否定せずに肯定せずにスラップスティックコメディとして描き出している。

多くの人に見てもらいたい。などとは言わない。
一人でもこの作品を面白いと思ってもらいたい。とも言わない。
人生、どうしようもなく暇を持て余したとき。
ア・ダーティ・シェイムを見てみよう。
そして見終わったあと、こう言って欲しい。
「この、恥知らず!」

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