Helinox 初期型 メンテナンスメモ
"神は Helinox の前に椅子を作らず。
唯一のキャンプ椅子は Helinox 也。"
2013年8月の自身ツイットより
10年使うと….
2013年夏?に通りすがりの銀座方面?は当時小川テント?ショールームに暑気避けでちょいと寄ってみる。
何を買うというわけでもなくなんとなくぶらぶらしているうちに、どうしても欲しくなって買ってしまったのが、Helinox キャンプ椅子。
人が持っているのを見て物欲をそそられてはいた物件で、二つの型が併売されていたなか、安い方にはさらにおまけが付くという。おまけは一目見ただけで要らないと言い切れるような電池ランタンと、これまたどう使っていいのかわからない中途半端なサイズのフリースブランケット。
座り比べた結果、むしろ安いほうが良さげな感じという判定でおまけ付きを購入するも、だいぶん後になってから現行型とは諸般互換性が無い初期型処分販売だったらしいことが判明。
宴会キャンプに一・二回使っただけで、他はほとんどは日帰り野歩きやスクーター移動で使用。一頃は山歩きにも持ち込んでいたものの、山ではそもそも椅子を使える都合の良い平面がほとんどないことに納得するのは、これまただいぶんと後のお話。
それほど気に入っていたのに、ここ数年出番なし。理由は
フレーム連結のショックコードが伸び切ってしまい、椅子を持ち上げただけで脚が抜けるようになった
接地面の脚キャップが割れてしまい、脚が地面にめり込んでまともに座れなくなった
の二点。
さてさて、購入してからもう10年。そろそろなんとかしましょうよ。
ショックコードを張り換える
ゴムひもを換えればいいんでしょ? と、簡単に考えていましたが、結構大変でした。
購入したショックコードは、直径2.5mm × 15m でコードストッパー二種類を含めて1,000円弱というアウトドア向けセット商品。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09Z7W56VJ/
結論として、この直径は細すぎでした。もっと太いものが良いですが、買ってしまったので、今回は二本束ねて使うことにします。
パイプ両端のコードストッパー(パイプキャップ)は工具不要で、手で簡単に抜けます。構造も一目瞭然で、扱いに戸惑うことはないでしょう。
難関は、前脚~後脚・背もたれ~座面・左右結合の5股プラスチックハブ左右に対して、ショックコードを通すことです。特に私の場合は二本通すことになったので、考え込んでしまいました。
結論は、ショックコードをパイプ差し込み側から反対側に向けて通すのではなく、折り返し部分開口部から差し込み、両パイプ差し込み側(前脚側と後脚側、または背もたれ側と座面側)に出すという手順です。この手順では、最初からショックコードを切断しておく必要があります。
実はこのほかにも、初期型特有のトラップがあり、見事に嵌まってしまいました。この話は次の項で。
初期型って何が違うの?
まず、アルミフレームの直径が違います。初期型は直径 13㎜ で、現行型よりも細いです。そして恐らくはより硬い素材です。
そして見逃しがちな意外なトラップ。前脚と後脚の長さが異なります。長い前脚には、端部に識別のマーキングがあります。現行型は、4本とも同じ長さになっているようです。
この二点はおそらく製造コストに反映していたはずで、人気が定着した後で再設計が行われたものと私は推測しています。
今回最初の組み立てでは、前脚と後脚の長さが違うことに気が付いていませんでした。前後を逆に組み付けてしまい、窮屈な座り心地にあれあれ?
地面への沈み込みとの戦い
使用し始めて最初の年には、もう最初の脚キャップが割れてしまいました。
このため純正の交換部品を問い合わせたのですが、土や砂地にめり込みにくいボール形状のものが1,000円だということで、さっそく発注したのですが、後に一組四個1,000円ではなく、一個の価格なので支払い総額四倍だという話になり、結局キャンセルしてしました。
またこの時点で初めて、現行型とは脚キャップの形状が大幅に異なるし、そもそもフレームの太さが異なるようだということがわかってきました。
その後残りの三本の脚キャップも徐々に割れて行き、砂地や柔らかい地面ではめり込みで大変使いにくい状況となります。
ボール状の脚キャップを模索する
今年に入ってから調べなおしてみると、2014年当時とは異なり正規品・互換品とも各種花盛りで、特に Helinox / Vibram ダブルネームの純正ボール脚には価格共々驚かされました。
最初の年に焚火を囲む宴会キャンプで後脚が地面にめり込み、シェラカップの酒をぶちまけながら真後ろにひっくり返るという宴会芸までをも身につけたこともあり、ここはなんとかダイエットを.…あ、いや、何とか地面にめり込みにくいボール脚をDIYで.…という検討に入ります。
ところが調べてみると、球状のゴム系やプラスチック系素材は、そもそもがお高いという事実に気が付きます。しかも直径が大きくなると、信じ難いお値段にいともたやすく達してしまう。
余りのことに、呼び寸・体積・価格比の計算までしてしまう始末。体積比よりも価格比のほうがより厳しく、これはちょいとどうなのよ.…という感じです。
散々調べた挙句、工作機械や重機の操作レバーの先端に付ける黒や赤のノブである硬質プラスチックボールが、モノによってはかなりお手頃価格だということに気が付きました。
購入したのは直系30㎜の熱硬化性樹脂製黒ノブで、4個組1,000円弱。6㎜雌ネジ穴があるので、ここを13㎜まで広げて使おうという作戦です。
6mm ネジ穴に、まず8mmドリルを通し、次に10㎜ドリルを通します。
ここで今回新規に購入した超廉価666円13㎜金属用ドリル刃を投入しますが、なんと10mmの穴に対して全く噛みこまず、周囲に埃を巻き上げるだけという悲惨な結果になってしまいました。
13㎜のきちんとしたドリル刃は3,000円前後するので、これはもうコスト的に見合わないと判断し、この計画を放棄することにしました。
もう一度既製品を物色
各種サイトで雑な物色の結果、Yodobashi にてドアストッパー用エラストマー樹脂製ゴム脚1個110円という物件を発見。古典的形状の110円を前脚用として二個、そして角異形234円を体重がより掛かるであろう後脚用として二個発注。
この角異形234円は方向性のないはめ込み丸パイプには合わず、接地角度もかなりずれているので断念。結局110円をさらに二個発注で四脚揃えるという結果になりました。
前脚を短く
座ると同時に後脚が地面にめり込み後方回転をキメるという宴会芸の再演を避けるための方策として、後脚はより厚く対地面積も大きい前記角異形ゴム脚を考えていたわけですが合わず、結局前脚を切断して長さを調整することにします。長さは、後脚より少しだけ長く残しました。
硬い高級な素材で、二本切断するのに手持ち金鋸でえらく苦労しました。
さてどうよ?
まだ泥酔状態では使っていないので、宴会芸再現防止策の評価に関しては保留とさせてください。少し前脚を切りすぎたかなという気もしたりして.…
脚ゴムは440円の出費で済むはずの話に、えらく遠回りして無駄金を使ってしまいましたが、結果オーライということで、さぁ焚火(台)は何処だい?
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