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アイルランド最大の音楽フェス、Oxegenの掃除のバイトでバイト代以上に稼いだ話

世界金融危機中に滞在したダブリンの仕事探し

30代最初に留学先に選んだのはアイルランド(ダブリン)でした。
この国を語学留学先として選んだ理由は「学生ビザでアルバイトができる」という点。しかし。。
現在アイルランドは景気の良い国といわれているが、私が住んでいた2008年頃、世界金融危機で雇用が最悪でした。「雇用はアイルランド国籍の人優先」。それが鉄則で毎日毎日CV(履歴書)を片手にダブリン中を歩き回り、その有酸素運動のおかげで15kg痩せたくらい仕事が見つかりませんでした。

紹介で得た掃除バイト

そんな中、ルームメイトのブラジル人が紹介してくれた仕事がお題に書いた通り、音楽フェス、Oxegenの3日間の掃除のバイト。2008年のOxegenを調べるとメインの歌手はR.E.MやAmy Winehouseなど。
バイト3日前にブローカーらしきところに行き、名前と給料振込先等を登録し当日を迎えた。当日は「汚れても良い服で朝5時位にトリニティカレッジ脇の道路に来い」と言われ、行ってみると大型バスが3台と通りには南米の人たちで溢れかえっていた。今思うとアイルランド人は多分一人もいなかった。

宝探し開催

バスに乗り1時間くらい経った頃、道路の真ん中で「降りろ」と言われ、掃除が開始。落ちているごみを拾うのが仕事。ゴミ袋と軍手っぽいのを支給され、ひたすらゴミを拾う。フェス会場に続く両脇に木々が生えている道路にはフェス参加者(会場にテントをはれないで道路脇にテントを張る参加者)が落としたであろうゴミが沢山あり、ひたすらしゃがんでゴミを拾う。
ゴミの内容は食べ物、缶、ティッシュ、使用済みコンドーム、たばこの吸い殻、たまに汚物・注射器など。この時点で、「いくら仕事が欲しいと言ってもこれは引き受けるんじゃなかった、、、」と後悔するほどのごみの山。それを我慢して人海戦術でみんなで拾っていると、ゴミの中からお金らしきコインが出てきた。フェスは主にヨーロッパから来る参加者が多いので、きっとヨーロッパのどこかの人が落としたんだろうな、、と思いながら、律儀に責任者に「お金拾ったらどうするん?」と聞いたら「そんなバカげたこと聞くな、もらっとけ」と、冷たくあしらわれた。それからの時間、私のゴミ拾いの仕事は「宝探し」の変わったのだった。ゴミは拾い、お金を見つけると自分のポケットに。主にユーロコインと他ヨーロッパの国のコイン、たまに1~5ユーロ札。それが少し土に埋まっているのを掘り起こす。それの繰り返しで見つけるたびにニヤニヤしていた。
ふと、まわりを見渡すとお金を拾いニヤニヤしてる人がたくさんいる。「なんでこんなに落とすん??」ていうくらいお金が落ちていた。

道でのゴミ(宝)収集が終わり、バスで会場まで移動中こっそり拾ったお金を数えると合計20ユーロとどこかのヨーロッパの国らしきコインが10枚くらい。ニヤニヤしながら会場に入った。

外会場はとても広く、数十メートル先ではフェス真っ只中、爆音を背に空いている会場で再びゴミ拾いは再開、数十メートル先のフェス参加者が飛んだり跳ねたりしているのを見るたびに「お金がおちてゆく。。。。」とニヤニヤしながらごみとお金を拾った。

その日拾ったお金の合計は約50ユーロとヨーロッパっぽいお金数十枚。トリニティカレッジ脇の道路で解散し、家に着きシャワーを浴びながらお金を洗った。

宝探し最終日

同じような日が2日続き3日目、フェスが終わった翌日、フェス会場全体の掃除が始まった。ものすごく広い会場に百人くらいの南米人と日本人1人が会場の端から横1列になり、笛の音とともにゴミ(お金)を拾っていく。その日一番大きい額、50ユーロ札をフェスで踏み倒された土の中から拾い上げた。その他5~20ユーロ札を何枚か拾い、その日の合計金額120ユーロ、3日間で拾ったお金は合計250ユーロくらいだった。「もっとここでゴミ(お金)を拾いたい」最終的にはあれだけ嫌だったゴミ拾いがやみつきになっていた。

お給料

お給料は1日80ユーロ位だったと記憶しているが税金をがっぽり引かれ、振り込まれた給料がその半額以下だったのは記憶している。3日間で拾い上げた金額よりも大分下回った。

その後

その後もダブリン中を歩き回り、面接に何回も落ち、ようやく仕事を得た。日本に帰ってからこの話をすると大体苦笑いをされる。自分の宝物BOXを開ける度にZIPLOCKの中にある当時拾ったヨーロッパコインを見てはこの経験を思い出す。

この記事を書くにあたって炎上がこわくて(炎上するくらい読まれないと思うが)、「ヨーロッパ・お金拾う・違法」とかで検索してみたが大丈夫そうだったのと15年以上前の話だし大丈夫だと思いたい。。。。

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