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2024年2月下旬の簡単日記

20240220

職場の非常階段から見える空き地で大規模な土木工事が始まった。サッカーコートが丸々と落ち込んでしまうような巨大な穴が掘られ、橋の側面に使われているのを見た気がする極太の鉄骨が渡されて行く。まず地面があり、そこに重力が見出され、重量物がその双方を感じながら組み上げられて行くんだなという趣がある。

20240223

平野啓一郎『マチネの終わりに』を読む。天才と評されたクラシックギタリストの蒔野と、ジャーナリストで海外の通信社に勤務する洋子の出会いとそのゆくえ。世界的に活躍する40歳前後の2人を描いているせいか、各人がそれぞれに積み上げてきた知見と世界観があり、その強度が小説の中で丁寧に表されていくことで人間としてのリアリティが浮き上がってくるのが非常に筋肉質で面白かった。「恋愛」ってこうやって書けるのか。

20240228

余暇を過ごすにあたりだらだらしたい気持ちが強すぎて、もしかして正確にはだらだら出来ていないのでは、との疑いがここ数日拭えない。だらだら過ごすために「だらだらとやりたかったこと」を明確化する必要がある。どのようにだらだらすべきかを定めた上で適切にだらだらすることが望ましいと考え、スケジュールを立ててみた。1週間のうち、仕事終わりから寝るまでにどのように過ごすか。休日は何を達成したかったのか。iPadのGoodnotesで週間バーチカルの用紙を選び、平日18時〜26時の予定を30分単位で記入していく。残業によって夜が削られていく様子を腹立たしく感じ、その怒りの分を取り戻すかのようにだらだらすべき事項を細かく、正確に、iPadの画面を押し広げ、小さい文字で書き込んでいる。

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