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AAFR(環軸椎回旋位固定)の知識

環軸椎回旋位固定2

おおえのき接骨院 勉強会
-環軸椎回旋固定位-
症状・臨床所見
頭頸部が左右どちらかに斜めに傾いた姿勢をとる病態で顔面が反対側に回旋し固定される。

環軸椎3




cock-robin position  コマドリが首を傾けている姿.


脊椎変形に基づく斜頚には、環椎(第一頚椎)が軸椎(第二頚椎)に対して回旋しながら前方に亜脱臼する環軸椎回旋位固定(atlantoaxial rotatory fixation : AARF)

原因
不明なことが多いが、軽微な外傷や上気道感染、口腔・咽頭の手術、長時間の耳疾患の手術などを契機に発症するとされている。
病因
関節内因子説
環軸関節間の滑液関節に滑液貯留が生じ、これにより靭帯が伸展し脱臼する説
関節包の断裂や嵌入impingementによる説
関節包・靭帯の弛緩による説
関節外因子説
鼻咽頭炎に続発する頚部周囲の筋の過緊張による説
炎症に伴い靭帯付着部の骨の脱灰が進行し、これにより生じた靭帯の弛緩の説

初期に関節包の腫脹、滑膜・筋の攣縮→長期間持続で靭帯、関節包が拘縮し回旋位で固定され関節内外双方に原因がある。


好発年齢
小児から学童期に好発
理由 
環軸関節の骨性支持少ない 関節包が緩く回旋角度が大きい 関節面の水平化が強い 環軸関節の中で軟部組織が多く炎症が波及し易い。

1ヶ月未満 急性
1ヶ月以上3ヶ月未満 亜急性
3ヶ月以上 慢性

治療法
装具(フィラデルフィアカラー等)で1週間程後も改善が見られない場合は入院し牽引療法

環軸椎2


検査・診断
X線検査 開口位正面X線検査、CT、3DCTなどで環椎・軸椎のずれをみる。
・フィールディング分類
タイプ1 環椎の前方移動がなく、歯突起が軸になる。
タイプ2 3~5㎜前方転移、一側の環軸関節が軸になる。横靭帯損傷あり。
タイプ3 前方転移が5㎜以上。歯突起と環椎をつなぐ横靭帯と翼状靭帯の損傷あり。
タイプ4 歯突起の形成不全に伴う後方転移。

分類



今回の反省点
今回来院した女子は施術後は回旋位の姿位も正常に戻ったが
本人が痛みの恐怖を覚えており、斜頸が整復されていても怖いため頸椎斜位にしてしまう。

今後の対策
子供用の頚椎カラ―を用意し施術で戻っても、恐怖のある子に対しては安心させるためにもカラー装着させて自宅での過ごし方指導し再発防止を行う。

一回で改善しないときは整形外科対診・連携医師に相談する


頸部の回旋に作用する筋肉
主動作筋・・・胸鎖乳突筋 頸回旋筋 頭・頸半棘筋 後頭下筋群
補助筋・・・・板状筋 頸長筋

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