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友人のフランス人

先日、派遣留学生向けのオリエンテーションに参加した。
州立大学ということもあり、様々な国からの留学生たちが集まっていた。
「初対面だし、英語も心配っ」
そう思いながら、空いている席に着いた。

オリエンテーションが始まるまで、隣にはどんな子が座るだろうとワクワクしていた。開始ギリギリの時間になってその子は来た。

真っ赤なTシャツにインディゴブルーのワイドデニム、
アクセントにブラックのサングラスとトートバッグで登場。
ちなみにサングラスの横縁には、クリスチャンディオールのマーク。
シンプルイズベストとはこのこと。

っかっわいい~と思いながら私は興奮を抑えられず、私のずたずたな英語なんてお構いなしに、気づいたらその子に話しかけていた。

壊滅的な私の英語リスニングによると、彼女の名前はPoline。出身はフランスのパリ。大学院生でここには一年、滞在するらしい。私にはPolineという名前の発音が難しく、とりあえずプリンちゃんと覚えることにした。許してほしい。いつかは完璧な発音で彼女の名前を呼びたいと真剣に思った。

それからというものプリンちゃんはかわいいだけでなく面倒見がよく、
外出するときにはいつも私を誘ってくれた。

最近、そんなプリンちゃんの好きなところを見つけた。
プリンちゃんはいつも文句を言っている。
そしてその文句の面白いこと。

ある日は、アメリカのバス事情について。下車のサインがボタンじゃなくてロープなの?おかしいわと。

とある日はアメリカのスーパーマーケットでプラスチックバックが無料なことについて。

また別の日には彼女のスイートメイトについて。そのスイートメイトは一回も部屋から出てきたのを見たことがなく、生活音も聞こえないらしい。幽霊のようだと言っていた。

いつもワッツアップという感じで軽い挨拶を交わすと、すぐさまプリンちゃんはカンカンになるのである。もしアメリカ人がみんなエコバックを使っていたら、地球温暖化はこんなに進んでいないと思わない?と共感を求めてくる。

勿論、同じこと思ってた!と心の中では共感祭りだ。

だけれど私はそれをなかなか言葉で表現しない。
何故なのだろう。

思ったことをフランス流のユーモアたっぷりで表現してくれる。
プリンちゃんの話はいつも面白くて、人間味があって大好きだ。

そんな素直さ私も欲しいと思う、今日この頃です。



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