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[デジボク地球防衛軍]│今更地球を防衛(まも)るのだ!

終わろうとする2021の末の末に、私はSteamのストアを放浪していた。

それまで熱心にプレイしていた「ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス」のプレイ継続が困難だと判断して間もなく、ウィンターセール開催の報を受けたからである。

しかしSteamストア放浪の旅はその出口を見ないままに終えることが多い。いつもSteamで設定する条件は「オンラインCOOP可能なTPS」である。できることなら日本語にも対応していて欲しい。ところが気になるゲームは大抵日本語未対応だったり開発中だったり或いは開発を諦められてしまっていたりするのだ。今回もまた過度な期待は禁物であると肝に銘じ、用法用量を守り節度を保ったストア探索を続けていた。

そして探索開始から3日目、やはり何の成果も得られず「もうテンノを永いコールドスリープから蘇らせるしかないのか…」と絶望しかけていた頃、そのゲームは私の眼前に姿を見せた。

■ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍

どこからどこまでがタイトルなのか判然としないのに戸惑うが、これもまた最近の流行りなのだろう。第一印象は決して良くないが、少なくとも「地球防衛軍」の文字列は含まれている。同人ゲームの類かとも思ったがきちんと「D3」の表記も認められる。そうか、こんなゲームも出ていたのか。

興味は惹かれたもののウィンターセールでも何でもなかったので、その場では決断ができず、ひとまず保留として私は探索を打ち切った。

私と地球防衛軍

地球防衛軍1・2

地球防衛軍を一体いつまでプレイしていたのか、完璧には思い出せない。ただ1作目は熱心にプレイしていた。見た目はチープながらもアイデアと工夫によって飽きさせない丁寧な作りは、ウルトラマンとゴジラで義務教育を終えた私の心には突き刺さって抜けない楔となった。その上シンプルシリーズとは思えないボリュームには大いに驚かされた。

異星人の大群相手に孤軍奮闘するという男の子なら誰しも燃える展開と、意外と凝った通信メッセージや味方との会話など良くできたゲームだった。難易度は高く、ビークルだろうが瓦礫だろうが使える物は何でも使い、何をしてでも生き抜くというサバイバル感も味わえるのが素晴らしい。

続く2作目もプレイしていたような気がしていたが、今見返してみるとこの時点で既に女性隊員が追加されていたらしい。

こんなに早い段階で飛行していた記憶は無いので、プレイしていないかも知れない。人の記憶とは恐ろしいものだ。

地球防衛軍3

3はよく覚えている。シンプルシリーズでなくなったのとグラフィックの向上に驚いた記憶があるし、キャリアーから降り注ぐ蟻を狩り続けたのもこの時だったと思う。アケコンに搭載されていた連射機能が唯一役に立った事例である。終盤の死闘に次ぐ死闘で何度も諦めかけたが、それでも投げ出すのは悔しくて何とかINFERNOも全てクリアした。やはりライサンダーが全てを解決するのだ。

画面分割で友達と遊ぶこともあったのでプレイ時間はかなり長かったのではないかと思われる。強化さえしてしまえば難易度は控えめになるので、友達とワイワイやるのにも向いていたのだ(多分)。

非常に良くできた一本に仕上がっているのだが、こちらはフルプライスなのだ。良くできていて当たり前と言えば当たり前なのかも知れない。

Earth Defense Force: Insect Armageddon

そして初の外来種とも言うべき本作もよく覚えている。このシリーズの魅力(ある意味でチープな古き良き特撮の雰囲気)が海外でも理解されるのだろうかと疑問ではあったのだが、考えてみれば軍隊モノはあちらさんの方が得意だ。その後トランスフォーマーやらパシフィックリムやらでヒットを飛ばし始めたこともあり、日本国内よりも寧ろ海外の方が特撮やら怪獣やらに熱心に向き合っていたのかも知れない。ブームの火付け役とまでは言わないまでも、多少なりとも影響を与えた作品なのではないか。

これまでの地球防衛軍と比べて敵の硬さが気になったものの、日本の特撮とはまた異なる海外のB級アクション映画な雰囲気はまた新鮮で良かった。冷静に考えるとほぼ完全にスターシップ・トゥルーパーズなのだが、あの映画も(少なくとも1作目は)良かったので問題ないだろう。意外と骨太な難易度なのも良かった。それなのに私はジェットで飛び回るのが楽しくて、何も考えずにジェットばかり使っていた。空を飛べるというだけで全く違った印象になるのが面白い。兵科ごとの役割の差がオンラインでのロールプレイに繋がっていて、そういう点でも面白いゲームだった。

という風に私の中では好印象な作品であるものの、当時の評判はイマイチだったような気がする。理由は覚えていないし、もしかしたら記憶違いかも知れない…。

自分の記憶に自信が持てない。

地球防衛軍4.1・5

いずれも殆ど記憶に残っていない。プレイしたような気はするのだが確証はない。もしかしたら片方だけプレイ済みなのかも知れないし、どちらもプレイしていない可能性も捨てきれない。

何だかモヤモヤするのでPSNで確認してみたら、いずれも購入済みだった。驚きの結果に震える。

オジサンの記憶力は本当にアテにならない

更に気になったのでトロフィー獲得状況も確認してみることにした。ブラウザでのサービスはとっくに終了していたようなので、わざわざスマホにアプリをダウンロードする必要があった。そうまでして確認すべきなのかどうかは誰にもわからない。

プレイしていなくはない

トロフィーは悲しくなるほど取れておらず、つまりは殆どプレイしていないということだ。ならば記憶に残っていないのも納得である。

こちらもウィングダイバー関係のトロフィーだけしか取っていないのできっと少しだけ空を飛んで終わったのだろう。何故プレイを中断したのかは不明だし、きっと思い出すこともないだろう。

フリープレイで配信されていた4.1はまだしも、わざわざ買ったであろう5を殆どプレイしていないのは何故なのだろうか。勿体ないので是非ともプレイし直したいものである。

その他

PSP版はパッケージに見覚えがあるので買ったような気がする。

例によって記憶に残っていないので、やはり殆どプレイしていないのかも知れない…。

また、逆輸入版の2作目である「EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN」についても、興味はあったが買わなかった。当時は多分別なゲームに集中していたのだと思う。プレイしたいゲームが渋滞している幸せな状態だったのであろう。

ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍

そんな雑な地球防衛遍歴を持つ私なので、本作も気付いたら購入し終わっていた。

そして気付けばNORMALからHARDESTまで一気にクリアし終え、現在はINFERNOの中盤あたりに差し掛かったところである。

システム

ポップな見た目と軽い雰囲気から既存シリーズとは大きく異なるゲームのように見えるが、しかしこれはこれで思ったよりも地球防衛軍だった。INFERNOでは蜘蛛の糸できちんと即死させてくれるし、突如飛来した蜂によって自爆させられ、それによってミッション失敗という伝統芸も再現可能だ。更に今作はリングアウトまで実装されており、より多彩なピタゴラ昇天芸を展開できるだろう。

アイテムやアーマーを拾う作業が無くなったのは少し寂しい気もするが、ブラザーの救助がこれと似た役割を担ってくれている。最大で1ステージ5名までしか配置されないので従来のようにガンシップを残して蟻を潰し続ける作業みたいな遊び方はできないが、どのタイミングでブラザーを回収しに行くか(基本的には雑魚を1匹残して回収するという昔ながらの方法が良さそう)、どんなルートで作戦行動を展開すれば効率的か等を考える楽しさは相変わらずだ。

最初は3体しか配置されないが、攻略が進むに連れて最大5体まで配置されるようになる

このあたりについては、そもそも回収が面倒だと感じる人も一定数居るようなので人によってはガンガン省略できた方が嬉しいのだろう。しかし私はこういった面倒くささこそゲームの醍醐味だと思っているので、前転ができない仕様とともに今後も受け継いで行って欲しいと願っている。

ブラザーを集めるのだ

今作は自軍を4人のブラザーたちで自由に構成するルールとなっており、これまでの武器を2種類選択するという方式と比べて自由度が増している。武器やアクセサリもそれぞれに設定可能であるため、自分だけで全局面に対応可能な編成を組めてしまうのだ。オンライン共闘のメリットやロールプレイ感は薄れてしまっているとも言えるが、その分ソロプレイで不自由することは少なくなっているので、シリーズ初プレイのプレイヤーにとっては優しい仕様と言えるだろう。

飛行ユニット4体編成も可能だ

序盤にはポンポン新しいブラザー(と武器)が出てくるので気軽に試し撃ちが可能だし、中盤以降はお気に入りのブラザーを重点的に育てながら遊ぶのも良いだろう。まだINFERNOの途中ではあるが、私がプレイしたことのあるタイトルの中では最も難易度が低く感じるので、グラフィックに抵抗が無ければ気軽に始めやすいタイトルなのは間違いないだろう。

ジェット君は動いていると非常にカッコイイのだ

私は思い出深いジェット君で飛び回るだけでも充分に楽しめているが、そろそろ本格的な攻略に向けて有効なブラザーの育成に入ろうかと考えている。

ただ基本的には「FORK-2B」と「サイブレードスラッシュ」で何とかなる場面が多いので、行けるところまでは突っ込んでみようかどうしようか…そんな軽い気持ちで楽しめる点は褒めざるを得ない。

ブラザーや武器の強弱ははっきりしているが、控え目の難易度と自由度の高い編成システムのお陰で自分の気に入ったブラザーを使い続けられるバランスなのは嬉しいポイントだ。逆に言うと、従来通りの強烈な歯応えを期待する隊員にとっては少し物足りないだろう。

バグっぽい当たり方をする「サイブレードスラッシュ」

因みに私は「サイブレードスラッシュ」が大型に対して異常に強いことに気付き、HARDESTの59で暫く稼いでいた。INFERNOに突入した現在でも大いに貢献してくれている。

気になるグラフィック

先にも少し触れたグラフィックについてだが、元々がシンプルシリーズでそこまで凝ったグラフィックでなかった分、私は意外と違和感なく入り込めた。ある意味で原点回帰のような気分にさせてくれると同時に、グラフィックの美麗さが必ずしもゲーム体験を良い物にするわけではないと改めて実感する。マインクラフトの流行もそれを証明している。とりわけ本作については、本家のリアルな虫のビジュアルが苦手な人でも遊びやすいだろう。

懐かしのあのシーンも…

ボクセルだからと言って決して手抜きをされているわけではなく、各種モーションやビルの倒壊シーンなどは寧ろ作り込まれていると感じる。特に「ウイングダイバー(EDF5)」の回避アクションは妙に見栄えが良かったり、ロクに用事の無い水面がやたらと綺麗だったりするのだ。

やたらと綺麗な水面

ストーリー

ストーリーに関しても思ったよりカッチリ作られていて、単なるお祭りゲーでは終わっていない。特に59終盤のシーンなんて本家に出てきてもおかしくない見せ場ではないだろうか。(この演出のせいもあって、ラスト手前が最大の難所という伝統は崩れたが…もっと前に崩れてた?)

多くのプレイヤーが期待したであろう(多分)例のアレとの戦闘シーンは残念ながら存在しないが、他の異星人や怪獣、ビークル(操作性の悪さも含めて!)などは上手く再現されており、思わず「おぉ…」と声が漏れる場面もあった。

セルフパロディやメタ発言が序盤から頻繁に飛び出し、本家ファンへのサービス精神を感じさせるとともに、本作はこういう感じで進めますよという解説にもなっている。その他にもウルトラマンやガンダムやジョジョに加えてかなり渋めの映画などからも引用があり、知っていればあらゆる場面で反応せざるを得ない。きっと私が気付いていないだけで、他にも多くの小ネタが含まれていると思わざるを得ない。

「大地に立つ!」ところから始まる

作っている方も楽しんでいたのではないかと思わせてくれるゲームは遊んでいて楽しいものだ。

おわりに

随分前に発売されたゲームの話なので今更感想や攻略を書いたところで…とおもいはしたのだが、しかし想像以上の面白さだったために長々と書いてしまった。

ひとまずはINFERNO制覇や実績の全解除を目指し、その後は4.1なり5なりをプレイしつつ6の発売を待ってみようか…。そんな風に思わせてくれる一本である。

シリーズ未経験のプレイヤーも久々に復帰してみようと思った隊員も、安心して気軽に入隊できるだろう。私も発売直後の賑わっている頃に出会いたかった…。

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