ドラマ感想文│『ウルトラマンブレーザー』第８話

解決編である「虹が出た 後編」を視聴。

冒頭でブレーザー（融合前）的な光との対話するような描写がありつつ、終盤の戦闘中にはブレーザーへの直接的な呼びかけ（所謂インナースペース）があったり、目標を大きく外れたレールガンの弾が宇宙へと放たれてしまったりと、今後の物語へ繋がりそうな展開が多く見られた第８話。

腕輪が媒介となっているのではないかという割と突飛な読みを的中させ、アースガロンから飛び出したのと入れ替わりにブレーザーが登場する上に無傷で生還するゲント隊長は、恐らくゼットなんかと同じように終盤で正体が明かされるのだろうから、これもまた終盤に向けてのフリであると考えられる。

しかしその何れもが、ワザとらしくない比較的自然な流れで組み込まれている。子供の視点から見ると少々退屈だろうけども、元々ウルトラマンはメッセージ性の強い物語なのだ。人間ドラマ部分の脚本がしっかりと描かれている点にはオジサンたちもニッコリだ。

そんな人間ドラマ部分で言うと副隊長の説得にはかなり良いセリフが多く、横峯との対話も大きな見どころとなっていたし、エミ隊員の潜入捜査も久々に描かれた。対して戦闘部分も抜かりなく、メカゴジラよろしく重厚に描かれるパワーアップしたアースガロンの勇姿と昭和シリーズを思い起こさせるような怪獣プロレスもまた嬉しいところである。

今回こそはと念入りにお祈りするブレーザーも気合の入った格闘戦を展開し、虹を掴んで八つ裂き光輪をブン投げる。新たなストーンが登場して変身アイテムへ挿入する流れについては玩具展開を考えると仕方ないなと少しため息の漏れてしまう部分ではあるけれども、安易にパワーアップフォームとなるのではなく必殺技が増えるだけだったのには確かな意思を感じた。今後登場すると発表された剣についても同様なのだろうか。

何にせよ、力強い投擲フォームがカッコイイ！ブレーザーは荒々しい戦闘スタイルが良く似合う。だからこそたまに見せる省エネ光線が良く映える。両断されて中から光が舞う映像にはエース兄さんもきっとどこかでアルカイックに微笑んでいるだろう。

それにしても腕輪のみを正確に破壊する副隊長の射撃能力には驚かされた。しかも一度ホルスターへ納めた銃でだ。未知のクリスタルを破壊するレールガンの威力もとんでもない。

やはり人類は淘汰されるべきなのでは…