今日も今日とて蕎麦を喰う
二日酔いだ。
頭は痛いし胸焼けがする。胃は気持ち悪いし、心地悪い酒の残り香が込み上げてくる。そして何よりも眠い。
誰が何と言おうと二日酔いだ。どこに出しても恥ずかしくない二日酔いである。
何しろ昨日は15時過ぎから飲み始め、夕方からはビアポンに汗を流した。
21時頃からカラオケに移動し、得意でもないのに「マクロス」を熱唱する羽目になった。
ビールに始まりレモンサワーや日本酒を経て、ZIMAブレイクからコークハイ(ビアポンで負けて一気飲み)と続いた後に再びビールをジョッキで飲み始め、最後はラーメン屋で瓶ビールだった。
タクシーに揺られるも眠気より気持ち悪さが勝ってしまい、ウトウトすることもできなかった。そして25時くらいに帰り着き、シャワーを浴びてからソファで気を失い、ベッドに横たわったのは27半を過ぎてからだった。
眠いのは当たり前だ。
仕事を休むという考えも頭をよぎったが、元気な子供達と準備をするうちに動けるようになった。何しろ子供達は、昨夜の分まで喋り倒さんばかりのマシンガントークだ。下の子が言っていることは半分以上わからなかったが、喜びだけは伝わってきた。
それでも私は二日酔いだ。
こんな日に限って人身事故でダイヤは乱れ、中途半端に揺れる電車に幽閉された。それがまた気持ち悪さを掘り起こす。頼むからじっとしててくれ。
そんな調子だが仕事は意外と捗り、昼頃には空腹にもなった。しかしガッツリとカツカレーなんかを平らげる気にはなれない。米系ならば寿司、麺類ならば蕎麦くらいが関の山だ。私の胃がそう告げている。
しかも外は暑い。うだるように暑い。「うだる」って一体何だろうと考えるのも面倒くさくなるくらい暑い。だから私は何も考えずに、いつもの蕎麦屋へと吸い込まれた。いつもの蕎麦屋でいつもの春菊天蕎麦…は無理だ。今の私(の胃)に天ぷらは荷が重い。
普段ならば、どんなに暑くても立喰い蕎麦屋では熱い蕎麦を食べる。しかし今日は無理だ。今日ばかりは冷たいとろろ蕎麦あたりで手を打たないか。私の胃が悲痛に、そう訴えている。
だからそうした。
決して満腹にはならないけれど、体の中が浄化されるような感覚になるとろろ蕎麦。二日続けての蕎麦ではあるし、そうでなくとも最近は麺類を食べ過ぎだ。それでも今は、これが最良の選択であると確信できた。
…のに、夕食で全てを台無しにした。
昼食のアッサリ感を補って余りある怒涛の油と脂。
迎え酒では元気にならない。
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