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ドラマ感想文│『デアデビル』シーズン1

『ジェシカ・ジョーンズ』、『ルーク・ケイジ』と続けて観た後、さて何を観ようかとなり、『ルーク・ケイジ』終盤に登場した『アイアン・フィスト』が気になったけれど、前々から観ようと思いつつ何となく後回しになっていた『デアデビル』を鑑賞した。

シーズン1はデアデビルビギンズといった感じで、キングピンとの闘いを通じて最後にデアデビルが完成した。原作を全く知らなかったのでスーツの出所は意外だったし、デアデビルもキングピンも普通の人間だというのも初めて知った。普通とは言っても常人離れした身体能力や身に付けたスキルについてはファンタジーであるけども。

登場人物自体は多いけれど、話はそこまで複雑なわけでなく、最初から最後までキングピンが倒すべき黒幕となっていたのが潔くて良い。そして仲間たちとの爽やかな関係性もまた見ていて気持ち良く、それぞれのキャラクターが各々役割をこなしつつも、きちんと生きている感じがする点も好感が持てた。話の方向性を定める為の唐突な暴挙に出たり、最初から最後まで何考えてるのかよくわからないキャラクターは居なかった。トリシュ、お前のことだぞ。

盲目のマットは所謂スーパーヒーロー的な身体能力を持つわけではないけれど、確固たる信念と明確な目標に向けて突き進む人間であり、どれだけ傷を負っても決してヘナヘナにはならない。強靭なボディと驚異的なパワーを持ちながら、シンジ君のようにクヨクヨし続けていたルーク・ケイジとは決定的に違う。ここが本作を楽しく観られた一番の理由だろう。今となっては古いドラマではあるけれど(だからこそ?)、完成度の高い作品に仕上がっていると思った。

ヒーローになりたくないヒーローの姿も、それはそれで面白い話である。が、あまりにもその描写が長く続きすぎると、観ている側も段々イライラしてきてしまうのだ。だったら早くやめちまえよ!と思ってしまうのだ。

しかしマットにはそれがない。寧ろタオルを投げてやりたくなるくらいに立ち向かい続ける。君こそヒーローだ!

というわけでシーズン2も楽しみなわけだが、ひとつだけ腑に落ちなかったのがバネッサの存在だ。

キングピンが一目惚れしたのは百歩譲って理解できなくもないけれど、バネッサ側が何故あれほどまでに入れ込んだのかがよくわからなかった。もう少しキングピンの魅力的な面を描いて欲しかったのと、そんな彼を見て少しずつ心が動くバネッサの様子をもう少し丁寧に説明してほしかった。終盤が何だか唐突な感じで、スっと入ってこなかった。

何はともあれ綺麗に終わったシーズン1。『シー・ハルク:ザ・アトーニー』に求めていたのはこういう闘いなんだよなぁ…という思いと、こんなにカッコ良いマットがやがてシー・ハルクに惹かれてしまうのか…という苦い思いが入り混じりつつ、シーズン2の視聴を開始しよう。


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