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GMOペイメントゲートウェイの決算内容を3分で解説!

今回はGMOペイメントゲートウェイの決算内容について見ていきましょう。毎年高い成長率を継続しているこの会社、今回の決算も好調を維持しているようです!

1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
内容を見ていく前提として、会計基準は日本基準ではなく国際会計基準(IFRS)を採用している点にご注意してください。

では内容に戻ります。
売上収益は前年比+25.5%の631億円と大幅増益となりました。
営業利益は前年比+25%の203億円、当期純利益は△44.2%の134億円と営業利益ベースでは大幅増益、当期純利益ベースでは大幅減益となりました。

出所:決算説明資料

まず先に当期純利益の大幅減益の理由ですが、これは今回の決算が悪かった訳ではなく前年に特別な利益が発生していたためです。
内容は持分法適用関連会社の株式譲渡による売却益です。
金額は169億円とかなり大きな金額が利益として計上されました。
そのため、前年との比較で今回の決算をみると大幅に減益したように見えてしまいました。

出所:決算短信

では売上収益の状況について見てみると、今回は前年比+25.5%と大幅な増収となりました。
ビジネスモデルとしては4つありますが、その全てで増収となっています。
特に「イニシャル」での成長率が高く、前年比+55.5%と突出しています。
それ以外のビジネスモデルでも全て二桁増となっているので、その好調さが伺えます。

出所:決算説明資料

ここで「4つのビジネスモデル」と「3つのセグメント」との関連性を整理しておきましょう。
全てのビジネスモデルに含まれている「オンライン決済」や「対面決済」はセグメント別でみると「決済代行事業」に含まれます。
また後払い・掛け払いサービスや送金サービスは「金融関連事業」に含まれます。
あとはマーケティング支援サービスなどが「決済活性化事業」に含まれることになります。

出所:IRイントロダクション

売上収益の規模感としては「決済代行事業」が全体の75%、「金融関連事業」が20%強という感じです。
利益面で見ても「決済代行事業」が約90%、「金融関連事業」が約10%となっており、収益面・利益面の両方で決済代行事業が主軸となっています。

出所:決算説明資料

この決済代行事業の売上収益のもとになる決済処理金額自体も前年の11.4兆円から15兆円まで増加しています。
成長率としては対面決済で+68.6%、オンライン決済で+21.1%と大きく新調しています。
また市場成長率よりも大幅に上回る成長率を示している点にも注目です。
決済市場はまだまだ成長の余地があり、今後もこの事業へ注力していく必要がありそうです。

出所:決算説明資料

2024年9月期の業績予想についても概要を見ておきましょう。
売上収益は前年比+16.1%の732億円、営業利益は+23.1%の250億円と共に二桁増の成長率を継続する見通しです。

出所:決算説明資料

また中期経営目標では「営業利益の年平均成長率25%」を目指すこととしているので、その点から考えると来年度の見通しはまだ目標値には達していないことになります。
25%はかなり高い目標だとは思いますが、今の勢いがあれば達成できるチャンスは十分にあるのではないかと考えます。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+189億円増加しました。

出所:決算説明資料

流動資産で+142億円増加しましたが、そのうち現預金で+196億円の増加が見られました。
一方で関係会社預け金で△112億円の減少がありました。
この関係会社預け金はGMOインターネットグループのCMS(cash management system)なので、資金が必要な時に引き出して使えると考えると実質的にはキャッシュと捉えて良いのではないかと思います。

念の為補足しておくと、CMSはグループ会社が同じ銀行内に口座を作って資金を一元管理する仕組みです。
余剰資金がある会社は多くの資金を預けて、逆に資金が足りない会社はそこから資金調達をすることで、グループ内資金を効率良く活用することができることをねらいとしています。

非流動資産に関しては+47億円増加しましたが、のれん及び無形資産の+23億円の増加が主な要因です。

出所:決算短信

負債に関しては+133億円増加しましたが、そのうち借入金と社債の合計で+64億円の増加が見られました。
あとは預り金で+58億円の増加がありましたが、これは代表加盟店契約に係る売上収益が増加したことに伴う増加と考えられます。
この預り金は、クレジットカード会社→GMO→加盟店へと流れていくので、将来的にはキャッシュアウトする内容のものです。

出所:決算短信

自己資本比率の推移を見てみるとベース水準の20%を大きく超えて、ここ2年間は30%以上の水準となっています。
金融関連事業の拡大に伴って総資産も増加を続けていますが、自己資本比率も安定基調にあります。

出所:決算説明資料

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+196億円増加しました。
内訳は営業CFで+61億円、投資CFで+177億円、財務CFで△64億円という内容です。

出所:決算説明資料

営業CFは税引前利益で+206億円としっかり稼げており問題ありません。

投資CFに関しては、拘束預金の払戻で+246億円、預入で△127億円と大きく動きました。
この拘束預金に関して補足しておくと、その名の通りで自由に出し入れできない拘束された預金のことです。
銀行からの借入金などがある時に、与信管理の目的で自由な入出金が制限される場合があります。

財務CFに関しては、配当金の支払いで△121億円の支出がありました。
一方で長期・短期借入金の増加で+63億円の入金がありましたので、金額としては大きく増減しています。

またフリーCFは+238億円と前年に続きプラスを維持しています。
全体的なCFは上手くコントロールされている印象です。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算をみようかな?

マサキタカオ


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