ジンズホールディングスの決算内容を3分で解説!
今回はジンズホールディングスの決算内容について見ていきましょう。
メガネ業界で第二位に位置するこの会社、過去最高の決算を記録景色は良好の様子です。
1.PLの状況
まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+13.3%の829億円と過去最高となりました。
営業利益に関しても前年比+61.7%の78億円、当期純利益は+165.1%の46億円と各段階利益でも過去最高益を記録しました。
海外では台湾事業が好調で業績を伸ばしていますが、やはり国内既存店の好調さが今回の過去最高業績の一番の要因となっています。
それでは内容について詳細を見ていきましょう。
まず店舗数ですが、前年比較で+23店舗増加しました。
増加地域は日本で+22店舗、台湾で+6店舗となっています。
香港と米国は変動なし、一方の中国は△5店舗と唯一店舗数が減少した地域となりました。
収益改善策として中国の赤字店舗を退店したため減少しました。
国内・海外の売上高を見てみると、国内は店舗/ECともに前年比で増加しています。特に店舗に関しては、店舗数が増加したことも影響しており前年比+15.2%の二桁増と堅調に推移しています。
国内アイウエア事業は、前年に引き続き店頭で一人ひとりへの接客を強化し、世界最高水準屈折率の両面非球面レンズ「JINS極薄レンズ」をはじめとしたオプションレンズの装着率が上昇したほか、自宅での使用を提案した、快適でストレスフリーなかけ心地と日常を自分らしく楽しめるデザイン性を兼ね備えた“おうち時間に着替えるメガネ”「JINS HOME」等が好評を博したことや、夏季にかけて、紫外線や光によって色が変 わる可視光調光レンズ等のオプションレンズやサングラスといった季節性商品への需要が増え、単価の上昇を牽引しました。
またJINSアプリの会員数は2024年8月末現在で約1,521万人となりました。
海外アイウエア事業は、中国においては、新型コロナウイルス感染症の影響は収束したものの、不動産市場の低迷や若年層の失業率上昇等による消費の低迷が続いており業績への影響がありました。
台湾においては、引き続きオプションとして取り揃えている日本製レンズが好評を博していること等により業績は順調に推移しました。
香港においては、出店により売上高は増加しているものの、為替の影響による中国や日本へのアウトバウンド増加等があり、業績は想定よりも下回りました。
米国においては、事業構造改革を進め既存店の売上高も好調に推移しました。
営業利益に関しては、前年比+61.7%の大幅増益となっており、特に日本は+74.6%と増益を大きく牽引しています。
一方で海外は前年比△89.4%と大減益となりました。
計画時点では赤字の見通しでしたが、そこから少し回復したものの、状況としてはあまり良い状況ではありせん。
海外営業利益を地域別に見ると、台湾は前年比+12.8%と堅調に推移しておりますが、他の地域の状況は良くありません。
中国・香港・US全ての地域は赤字となっており苦しい状況です。
計画時と比較すると、中国は若干の改善を見せましたが、香港・USに関しては計画時よりも悪化しています。
また販管費について見てみると、前年比+51億円増加していますが、対売上高比率で見ると、売上高が増加しているため△2%減少しています。
主要費目別では、全ての費目で増加しています。
特に人件費は店舗数増加に伴い前年比+21億円と一番増加金額が大きくなっています。
それ以外でも広告宣伝費では日本の宣伝を戦略的に強化したため、金額は増加しています。
ただその分日本の売上高は増加しているので、一定の効果があったと見て良いのかもしれません。
それでは次年度の業績予想に関しても概要を少し見ておきましょう。
売上高は前年比+8.6%の901億円、営業利益は+8.5%の85億円と過去最高だった今回の決算を更に上回る見通しとなりました。
今回苦戦した海外の状況は改善の兆しを見せる見通しとなり、その分業績アップに貢献する予定となっています。
2.BSの状況
次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産としては前年末から+91億円増加しました。
流動資産では+84億円増加しましたが、そのうち現預金で+64億円の増加がありました。この点に関しては後のCFの状況で見ていきます。
それ以外では売上高増加に伴い売掛金が+15億円増加しました。
あとは商品などの棚卸資産が+5億円増加していますが、売上高に対する在庫比率としては前年より減少しています。
在庫管理の精緻化への取り組みは以前より行なっており、前年からの推移を見ても上手くコントロールされ減少傾向にあることが分かります。
固定資産に関しては+6億円増加しましたが、システム関連の投資で無形固定資産が+5億円増加していることが主な内容です。
負債に関しては+53億円増加しましたが、買掛金や未払費用などの支払債務で+22億円の増加がありました。
あとは利益の増加に伴う未払法人税等で+12億円の増加が見られました。
純資産に関しては+38億円増加しましたが、当期純利益の+46億円と剰余金の△10億円が主な内容となり、毎年発生している項目です。
3.CFの状況
最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+64億円増加しました。
内訳としては営業CFで+109億円、投資CFで△23億円、財務CFで△23億円という内容です。
営業CFは税金等調整前当期純利益と減価償却費で合わせて101億円としっかりと稼げており問題ありません。
投資CFに関しては、新規店舗出店など有形固定資産への投資で△18億円の支出がありました。
あとシステム関連の無形固定資産への投資で△7億円の支出がありました。
財務CFに関しては配当金支払い△10億円が主な内容となっております。
全体的には大きな投資案件はなく営業CFでしっかり稼げているので、フリーCFもプラスで推移しており良好な状況だと考えられます。
今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?
マサキタカオ