見出し画像

ウェザーニューズの決算内容を3分で解説!

今回はウェザーニューズの決算内容について見ていきます。
突然のゲリラ豪雨の被害に遭われる方が急増中の昨今、この企業の重要性が増しているのでは?

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+4.3%196億円となりました。営業利益は前年比+18.8%29億円、当期純利益は前年比+15.9%21億円と大幅増益となりました。

画像1
出所:決算説明会資料

ではセグメント別の売上高の状況について見ていきましょう。
セグメントとしては7つありますが、そのうち主要となるのは次の4つです。
①航海気象 ②陸上気象 ③モバイル・インターネット気象 ④放送気象

画像2
出所:決算説明会資料

この中でもみなさんに一番馴馴染み深く売上高が大きいのは③のモバイル・インターネット気象です。売上高は68億円で前年から+11.7%増加しています。
認知度はかなり高くスマホアプリに入れている方も多いのではないでしょうか。
またその予報精度の改善もありユーザー満足度も高まっていると考えられます。
次に売上高が大きいのは①の航海気象です。売上高は52億円で前年から+8.4%増加しています。
この航海気象はコンテナ船や自動車船などBtoBの売上になります。また現状の海運市況は好調のためサービス提供隻数も増加しており、6,300隻に到達しました。
このサービスは1隻ごとの提供になりますので、今後も継続して海運市況が好調であればその分チャンスも広がることになります。

画像3
出所:決算説明会資料

話を全体的な観点に戻しましょう。
先程少し触れましたが、営業利益は29億円と前年から5億円増加しています。
主な要因はセグメント別の売上高でも見たように、主要セグメントの売上高が増加したことが挙げられます。一方でソフトウェア開発の内製化の強化のためにエンジニアに対する人件費が増加しました。今後を見据えた人材投資という位置づけだと考えられます。

画像4
出所:決算説明会資料

営業利益以降の項目としては減損損失で78百万円の計上があります。内容としてはソフトウェアの遊休資産があり、将来の使用見込みがないため減損処理をする判断となりました。一昨年も同様にソフトウエアで25百万円の減損損失を計上しているので、ある程度定常的に発生しているようです。

出所:決算短信

2.BSの状況

次にBSの状況について見ていきましょう。
先程のPLの状況では触れませんでしたが、今回も「収益認識に関する会計基準等の適用」による影響があります。この会計基準の適用によりBS上の科目名が変更になりました。これまで流動資産で表示されていた「完成業務未収入金」が「契約資産」へ、また流動負債で表示されていた「その他」が「契約負債」へ変更となりました。

出所:決算短信

補足ですが今回の変更によって旧基準と比較すると売上高が△0.7億円減少、一方当期純利益は+0.7億円増加の影響を受けています。
では話を戻しましょう。
総資産としては前年から+14億円増加していますが、そのほとんどが現預金の増加によるものです。その他の項目で特に目立った動きはありませんが、ソフトウエア開発に関して方針転換がありました。
それは従来の開発手法「ウォーターフォールモデル」から「アジャイル型開発」へのシフトです。どのような違いがあるについてざっくり言うと以下となります。
・ウォーターフォールモデル:全体の機能設計や仕様をきっちり決める
・アジャイル型開発:計画段階ではだいたいの仕様だけを決める
アジャイル型開発のメリットとして時間とコストを抑えることが挙げられますので、今回の方針転換の決定に至ったと考えられます。

出所:決算説明会資料

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CFとしては前年から+21億円増加しています。内訳は営業CFで+35億円、投資CFで△3億円、財務CFで△10億円となりました。
営業CFと投資CFの合計のフリーCFも+32億円と問題なさそうです。
また現在借入は実施していませんが、もしもの備えとして取引銀行とコミットメントライン契約・当座貸越契約を結んでいて総額26億円の資金調達が可能な状況にあります。

出所:決算短信

手元にキャッシュが114億円、短期の借入枠が26億円あるので、今後これをどのようにキャッシュ生み出す資産に変えるかがカギとなりそうです。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?