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あさひ決算が伝える自転車の社会的役割

最近自転車を見かける機会が増えたなあ、と感じる人は多いのではないでしょうか。
これも新型コロナウイルスの影響かもしれません。
そんな自転車専門店あさひの1Q決算の内容を見ていきましょう。

1Qの概要

それではまず1Qの概要についてです。

売上高は198億円で対前年度比△5億円(△2.6%)となりました。
営業利益は30億円で対前年度比△2億円(△6.0%)となりました。
売上高・営業利益ともに減少しています。

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あさひは2月決算なのでこの1Qの3〜5月は新型コロナ影響のど真ん中でした。
3月はまだ影響はほとんどなく4月がピークで5月はやや回復傾向、といった感じでした。
4〜5月は週末自主休業する店舗があったこと、外出自粛などがあったので、前年度比ではマイナスとなっています。

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また出店状況については近畿地方で1店舗出店したのみです。
やはりタイミング的に新型コロナ影響で動きに遅れが出ているようです。

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品目別売上から見えること

次に品目別売上について見ていきましょう。

大きな区分としては、一般車・スポーツ車・子供車・電気自転車があります。
この1Qではスポーツ・子供車が前年比+6%となりました。
一方で一般車は大幅に減少し△15%、電気自転車は△2.5%となりました。

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この結果から見えることは「通勤スタイルの変化」が徐々に進んできていることではないかと思います。

新型コロナの感染リスクを避けるため電車・バスでの通勤者が減少しました。
その代わりに自転車通勤者が増加しています。
中でも一般車ではなく本格的なスポーツ車が増加している点に自転車通勤への本気度がうかがえます。

今後もこの電車・バス→自転車へのシフトは増加していくのではないかと考えられます。

今後の業績

次に今度の業績について見ていきます。

通期計画の売上高は627億円で対前年度比で+4.8%増加、営業利益は43億円で対前年度比で+8.8%増加としています。
品目別売上で見るとこの1Qでも増加を見せていたスポーツ車の強化は継続を見せていて、+9.7%増加としています。

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でも1Q実績は減収減益だったのにこの通期計画は強気では?と思う人もいるかもしれません。
その点に関してはおそらく大丈夫ではないかと思います。
6月度の営業速報を見ると単月の「売上高・客数・客単価」全てが大幅改善しています。また3〜6月までの累計で見ても昨年度通期の実績を上回る数値まで伸ばしてきています。

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この状況から考えると現在の通期計画は十分に達成可能かそれ以上いけるのでは?と期待を抱かせるものだと思います。
市場参加者も今回の決算で期待感を抱いているのが株価の動きから見て取れます。

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今後の自転車の社会的役割

最後に今後の自転車の社会的役割について見ていきます。

新型コロナの影響で様々な場面で新ライフスタイルへの変化が求められています。
そのような状況で自転車の社会的役割も見直されつつあります。
これまで通勤に電車・バス等を使っていた人達が自転車を使うようになってきています。
自転車を使うことで新型コロナ感染リスクを低減でき且つフットネス効果も得られると考えられた結果ではないかと思います。
そう考えると今後は自転車が単なる移動だけではなくそれ以外の多様な目的で使われていく可能性を秘めてい流のではないかと考えられます。
これからの新ライフスタイルを支える役割を果たしていくかもしれません。

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あさひの経営理念にある「自転車を通じて世界の人々貢献できる企業を目指す」とあるように、今後自転車関連企業の役割は重要性を増してくるのではないでしょうか。

今後あさひが自転車を通して社会の中でどのような役割を果たしていくか、注目です。

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