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プライドが高いという意味

 プライドとは一般には良いイメージがある言葉であると思われます。自分に責任を持つという意味であるならば、まさに誇り高いポジティブな言葉であると言えるでしょう。しかし、プライドが高いことによって、他人とのコミュニケーションに障害をもたらす例もあります。

 プライドという概念が問題を引き起こすのは、他人を受け入れない理由として使われるときです。自分以外の人を、自分よりも下位の存在だと見做しているということです。それに明確な根拠があるかどうかなど関係ありません。ただ、他人の言うことを聞きたくないと言っているだけなのです。ただの傲慢の宣言であるというわけです。プライドという言葉の持つポジティブなイメージを利用しているに過ぎません。

 他人よりも自分の方が優位であることを示したがるのは、劣等感の裏返しです。自分で自分のことを劣っている人間であると心の中で言い続けているのです。しかし、それに自分では気づかないので、誰かから貶められていると感じているのです。だから他人に対して反抗的になっているのです。その結果、他人の言うことは聞かない、聞きたくない、聞く必要がないということになり、横柄に振る舞うのです。

 実は困ったことに、現実にはこのような態度が通ってしまうことがあるのです。つまり周囲の人間がその横柄な態度を受け入れてしまうことが往々にしてあるのです。そうなればその人はそれが一番いい生き方であると誤解してしまうのも無理ありません。そのやり方で認められたことにより、それが自分が認められるための方法だと信じ込んでしまうからです。

 もちろん、他人の言うことすべてに耳を傾けなければならないということはありません。ただ、自ら違った視点や選択の可能性を拒絶するのは、結局自分の生き方を制限しているに過ぎません。また、そういう人に限っていざ行き詰った時、短絡的な解決法に飛びつきがちです。
 何となく聞こえの良い言葉を利用して面倒なことを回避して、その実は人生を生きにくいものにしていないか、考えてみてください。

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