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付き合って3ヶ月と私の誕生日と

※自分の備忘録として残しますが、恥ずかしくなったら消すかもしれません。

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先週誕生日を迎えたので、誕生日プレゼントとして香水に詳しい彼に一緒に香水を選んでもらうことにした。

彼はあらかじめ事前にリサーチをたくさんしたらしく、お店に着くと私に次々とテスターを渡し、プロの調香師のように好みに合いそうな香水を探してくれた。

途中カフェで休憩しながら3時間ほど香水ハンティングを続けた後、無事にお気に入りの香水が見つかり、彼にプレゼントしてもらった。
好きな人にもらう初めての誕生日プレゼントだったので大切にしたくて、しばらく袋を胸に抱えて歩いた。

そのあとは夕方から横浜に行った。

横浜は私たちが初めて会った場所で、付き合って3ヶ月経った今改めて2人で一緒に行きたいと彼が言ってくれて、久しぶりに2人で訪れた。

横浜に着いてまず夜ご飯を食べることにした。
「また同じように中華食べる?」なんて言って笑ってたけど、結局全然関係ないアメリカンダイナーに行った。(めちゃくちゃ美味しかった。ナイスチョイス。)

ご飯を食べながら、初めて会った時の話になった。
彼が「あのとき、待ち合わせは19時とかだったけど実は朝から横浜いたからね笑」と、なんと一人で前乗りして事前にデートのシミュレーションをしてたことを教えてくれた。
全然知らなかったのでとてもびっくりした。
(ちなみにそのシミュレーションは乗換ミスによる私の大幅な遅刻でぐちゃぐちゃになって彼はとても焦ったらしい笑)

そんな初出し情報も収穫し、ご飯をお腹いっぱい食べたところで、赤レンガ倉庫を見に行こうとなった。

お店の外に出るとすぐ「手繋ごう」と右手を差し出された。
手を繋ぐのは久しぶりだったので、また初めて繋いだ時くらいドキドキしてしばらくそっぽを向きながら歩いてしまった。(これでも26歳です)

しかも、手を繋いだときからなんだか急に彼の声がいつもよりもっと囁くような優しい?甘い?声になっていて「なになにどうしたどうした」と動揺してしまって全然話に集中できなかった。

最初のデートのコースを辿って思い出話をしながらしばらく歩いていると、「ちょっと休憩しよ」と手を引かれ、少し道を外れて周りが茂みで覆われたベンチに案内された。

海沿いに並んだベンチとは違ってここだけちょうど周りから見えなくなっていて、今考えるとカップルのためだけに作られたようなベンチだった。

彼に横浜に行こうと言われたときからうっすらと「もしかしてキスするのかなあ」と思っていたけど、ここで一気にそれが確信に近づいた。

ベンチに座ってからお互い軽く冗談を言いあいながら、アプリで出会って付き合うまでお互いのことをどう思っていたかの答え合わせをした。

「声が好きで会いたいなと思った」
「会ったらめっちゃ可愛くてものすごい緊張した」
「好きだったからもう告白するしかなかった」
「告白するラインが100だとしたら150だった」
「初めて告白したいと思った」
「今はあの頃よりどんな人かよく知ってるから170」

シャイな性格なのにこういう時は真っ直ぐ伝えてくれる彼らしく、次から次へと嬉しい言葉を贈ってくれて、心臓が何度もぎゅっとなった。

30分くらいそんな会話を続けると、ポツポツとだんだん会話が途切れてきた。
私が少しボケながら話しかけても彼の返事は短くてどこか上の空な感じ。

沈黙。沈黙。沈黙。


「あ、これ知ってる。
告白された時と同じ空気だ。」

もうすでに懐かしい3ヶ月前の記憶をなぞるように思い出していると突然肩を抱かれた。

ぐっと彼の身体が近づいたのを感じて視線を落とすと、おたがいの太ももがくっつきそうに場所にあった。

彼がそのまま何も言わないので相変わらず2人の間には沈黙が流れていたけど私の頭のなかは「えー!」と「わー!」の二音で埋め尽くされてもう大騒ぎだった。

脳が運転を見合わせてしまったせいでようやく私の口から出たのは「え、なに…」の一言だった。(もっと可愛い反応をしたい人生でした)

「こっち向いて」と言われて顔を向けると体感距離2センチくらいのところに彼の顔があって目が合った。無理。近い。無理。

とてもじゃないけどまっすぐ見ていられなくて、逃げるように顔を背けてしまった。

少し恥ずかしそうに笑いながら「目閉じて」と彼が言ったのを聞いて、「わ、ほんとにキスするんだ…」とようやくそこで脳が運転を再開して実感が湧き始めた。

言われるままに目を閉じたはいいものの、視界が真っ暗になると余計に恥ずかしさがこみあげて笑ってしまい、「ちょっと待ってね」と言って30秒くらい彼に待ってもらった。

その後なんとか笑いをこらえてから目を閉じて「はい」と言うと、彼の身体が動く気配がした。

うっすら目を開けると、彼がぎごちなく顔を動かしているのが見えた。


「接触」という感じで、彼の唇が優しく触れた。

私はよく分からなかったけどどうやら唇の位置が真ん中からずれたらしく、「もう一回」と言われたので、また笑いが込み上げないように気持ちを作る時間をもらってもう一度トライしてもらった。正直一回目との違いは分からなかった。

キスしたからといって特に何か激しい感情が湧き起こってくることもなく、とにかくその前のパニックの記憶しか残っていない。あとは彼の唇がめちゃくちゃ柔らかくてびっくりした記憶。

ドキドキはしたものの、それはキス云々というより彼が至近距離にいるからで、個人的には手を繋いでる時の方が何十倍もドキドキするなあ、と思った。

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目を閉じるという行為は相手に自分の無防備な姿を晒すことであって、動物としては本来とても危険な行為だと思う。

他人に自分の内側を見せることに抵抗がある私は、はいどうぞと難なく目を閉じることはやっぱり難しかったけど、やってみると意外にも自分の無防備な姿を晒して好きな人に身体を預けることはなんだか心地良くて、どこか力んでた身体がふっと弛んで楽になる気持ちがした。

大きな木の幹に背中を預けて体を休めるように、誰かに自分の身をゆだねてみてもいいんだ。

恋愛に限らず、子犬が安心しきってお腹を見せるように、私にはもう少し無防備でいる瞬間があっていいのかもしれない、と思った。

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