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ストーリーで学ぶ|『今井美咲の起業物語』第1話(前編):マーケティングの本質を知る

はじめに

本シリーズは、若きマーケター、
今井美咲の成長と挑戦を描いたフィクションです。

主人公の美咲は、
システムエンジニアから
マーケティングの世界に飛び込み、
中小企業診断士を目指しながら、
新たなキャリアを切り拓いていきます。

彼女の日々の奮闘、
気づき、そして成功を通じて、
マーケティングの本質について探求していきます。

物語形式でマーケティングの基本的な概念を
学んでいただけるよう工夫しています。

起業や新しいキャリアへの挑戦を
考えている方々にとっても、
美咲の経験は大きな励みとなるでしょう。

なお、主人公の名前「今井美咲」は、
SNSで投票を実施し、
皆様に選んでいただきました。

投票に参加してくださった皆様、
ありがとうございました。

それでは、
美咲の成長物語の扉を開きましょう。

登場人物の紹介

今井美咲(29歳)
システム会社で6年間SEとして働いた後、
営業部門に異動。
中小企業診断士の資格取得を目指しながら、
マーケティングの世界に挑戦している。

新田俊介(34歳)
美咲の上司。
中小企業診断士の資格を持つ
マーケティングのエキスパート。
美咲のメンター的存在。

第1話:マーケティングの本質を知る -- 価値を伝える(前編)

東京の喧騒が
徐々に静まり始める金曜の夕暮れ時。

新宿のオフィス街に
そびえ立つガラス張りのビルの一室で、
今井美咲は深いため息をつきました。

彼女は、デスクに山積みの書類と
中小企業診断士試験の参考書を前に、
ぼんやりと窓の外を見つめていました。

また今日も残業か。
でも、このままじゃいけない──

美咲は深いため息をつきながら考えました。
いつもの行動力と明るさが、
今日は少し影を潜めています。

夕焼けに染まる街並みは美しかったものの、
美咲の心は複雑な思いで揺れていました。

まだ見つけられていない、
自分にしかできない何か。

その漠然とした思いが、
いつもポジティブな彼女の肩にも、
今日は少し重くのしかかっています。

美咲は福岡県福岡市で生まれ育ち、
東京都内の大学の経済学部を卒業しました。
学生時代から、
マーケティングに強い興味を持っていました。

特に「どうやって商品を売るのか」という
ビジネスの実践的な側面に
強く関心を持っていました。

大学卒業後、
新宿区のシステム会社に入社。

実家を離れての
東京での一人暮らしにも慣れ、
今では新宿近くのマンションで
仕事や勉強に忙しくも
充実した毎日を送っています。

入社してから最初の6年間は
システムエンジニアとして、
ウェブシステム開発の現場でシステム開発と
プロジェクト管理の経験を積みました。

その経験を活かし、
2年前から念願の営業部門へ異動。

技術的な知識を持つ営業として、
顧客のニーズをより深く理解した
提案ができるよう日々奮闘しています。

現在は営業職として
ウェブシステムの提案・販売に携わりながら、
マーケティングの世界への理解を深めています。

さらに昨年から、
ビジネスの知識を広げるため、
経営コンサルタントの国家資格である
中小企業診断士の資格取得に向けて
勉強を始めました。

美咲のマーケティングへの興味が
さらに深まったのは、
会社での経験が大きなきっかけでした。

特に、新田俊介さんとの出会いが、
美咲にとって大きな転機となりました。

俊介先輩は、
美咲より5歳年上で、
社内でも高く評価される
マーケティングのエキスパートです。

美咲が目指している
中小企業診断士の資格も保有していました。

数々のプロジェクトを成功に導いてきた
彼の的確なアドバイスと洞察力は、
美咲にとって貴重な学びの機会と
なっていました。

ある日、美咲は新サービスの
販促プロジェクトの企画会議で、
自信を持って自分のアイデアを提案しました。

しかし、
そのアイデアに対する会議での反応は冷ややかで、
期待したような手応えを得られませんでした。

会議が終わると、
美咲は落ち込んだ様子でデスクに戻りました。

そんな時、俊介先輩がそっと声をかけました。

「美咲、ちょっと時間あるか」

彼は美咲をオフィスの休憩スペースに
誘い出しました。
二人はコーヒーを手に静かに座りました。

しばらくの沈黙の後、
俊介先輩が口を開きました。

「今日のアイデア、悪くなかったよ。
ただ、もう少し深められる部分が
あるかもしれない」

美咲は、
何が足りなかったのかを頭の中で整理しながら、
俊介先輩の次の言葉を待ちました。

俊介先輩は彼女の表情を見て、続けました。

「マーケティングって、
お客さんにどれだけ自分のアイデアを
伝えられるかが重要なんだ。
君のアイデアには魅力があるけど、
それをどうやってお客さんにしっかり伝えるかを
もっと考えてみるといい」

美咲は少し考え込みながら頷きました。

「つまり、アイデアそのものじゃなくて、
どう伝えるかが問題だったんですか」

俊介先輩は笑顔で頷きました。

「その通り。君の発想は素晴らしい。
あとは、どうやってそれをお客さんに響かせるか、
そこがマーケティングの腕の見せ所なんだよ」

その言葉に、美咲は勇気づけられ、
新しいアイデアが浮かび始めました。

この俊介先輩の言葉は、
美咲にとって新たな学びの扉を開くものでした。

マーケティングの本質は
単に商品を売ることではなく、
顧客が本当に求めているものを見つけ出し、
それを最適な形で提供することが
大切なのだと学びました。

これが私に必要なこと──

美咲は日々の業務の中でも、
今回学んだアプローチを
取り入れることを心に誓いました。

それは、
美咲にとってマーケティングの本質に触れ、
成長への一歩を踏み出した瞬間でした。

(続く)

※ この物語は、後日Kindle版での発売も考えています。















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