Xデザイン学校2022年度ベーシック日曜コース♯9 振り返り

発見その1

コンセプトワークとアイデア大会

一連のワークショップの中で、印象に残っているアドバイスが「アイデア大会にならないように」というものでした。
日常のデザインの仕事の中ではアイデアを形にする事を軸としている事もあり、アイデア大会がNGという事を念頭に置きながら、何かを考えるという事がとても難しいように感じていました。
そして今回、チームで考えてきたビジネスモデルを発表に向けて整えていく中で、説明の難しい様々なエラーを消していくと、何とも特徴の無い提案になってしまったのですが、ここに来て改めて「デザイン」というい視点で振り返って見ることにしました。

新しいプロダクトを提案する際、コンセプト段階ではモノとしての完成度が低かったり、細部の粗が目立つことはあっても、ベースとなるメッセージがふわふわしている事はほとんど無いような気がします。
コンセプトワークの中で紡ぎだしたメッセージを伝える為に一旦形にするのがスケッチであり、そこからテーマ性をなるべく損なわないように量産品に落とし込んでいく。(体裁を整える)という事なのかなと思います。

日常のデザインと、今回の新サービス考案の流れを何となく重ね合わせると、いわゆるコンセプトワークの段階においての独自のメッセージ性が薄い+量産段階(体裁を整える)際に、爆発的に味が抜け落ちているという事な気がしてきました。
エスノグラフィーという概念を知って、初めは市場調査やインタビューと何が違うのか実感としてはよく理解できていませんでしたが、日常生活の中で遊びながらインスピレーションを受けたり、新しいスタイルを見出すように、外に出て人間を新しい視点から観察すること自体がコンセプトワークの始まり。という事なのかと思うようになりました。

発見その2

アイデア大会と五輪スケートボード

東京五輪でスケートボードが新種目に登録され、様々なスケーターから賛否両論の声がありました。実際、日本の中でも注目されているスケーターの一部は五輪に参加しなかったようです。
大会で評価される「トリック」は、本来ストリートを滑る上で必要に応じて生み出されるものであり、あらゆる障害物をどう乗り越えるかや、どう楽しむかの独創性とストーリーが大切であり、難易度の高い技をキメる事が注目されすぎると本来のスケートボードの価値が誤解されるというものでした。

サービスの開発においての土壇場のアイデア大会について、NGである理由は単純に一連の調査との整合性が取れなくなる事なのかと考えていましたが、実際はビジネスとしてある程度成立していたとしても、そもそも何故それを世に送り出したいか、というメッセージ性がないからなのかなと思います。
つまりコンセプトを見失っている or 固まっていない状態で、特定の条件下で短時間でビジネス案を出しまくるのは、もはや新競技→「アイデア大会」という事かなと思いました。

綺麗にまとめようとしなくてOKという事は、様々なジャンルで言われる事だと思いますが、初めに作りたいと思った体験と、そこに至ったストーリーを大切にして、できる限りビジネスとして成立させられるように頑張って考える。という姿勢でもよかったかなとちょっと思います。
ビジネスとしてのリアリティーも大事ですが、サービスデザインのデザインである所以みたいな部分をちょっと見失っていた感じがして、今回の一番の反省点かなと感じました。

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