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よくよく考えてみたらここで食事するの20年ぶりな気がする……(ボーイズカレー/神保町/洋食)

ある日のランチタイムをちょいと過ぎた頃の神保町。ヤボ用を済ませた私はお昼ご飯をどこで食べるべきか思案していた。

まんてん・南海・カロリー辺りはしょっちゅう行くし、町中華って気分でもないし……。

と、頭を悩ませながら彷徨っていると、気付けば神保町の西側の専修大学エリア(ほぼ九段下)まで来てしまっていた。

大好きな店が無くなる一方の神保町だが、実はこっちの方は真っ先に好きだった店が片っ端からぶっ潰された土地だったり……。

まず、靖国通りと専大通りがぶつかる交差点に、小綺麗でちょっと気の利いた立ち食いそば屋があったんだけど、気付いたら消滅していた。
そのすぐ北側の細い隠し通路みたいな路地にこじんまりしたカレー屋さんがあったんだけど、そこも気付いたら無くなっていた。

他にも薬膳カレーのお店だとか色々な店があったんだけど、どこもかしこもビルが建て直され、今じゃ昔の町並みが思い出せないまでに変わってしまった。

まあオレもオレで "20年以上前" の思い出話をしているので仕方ないんだけれども……。

だがしかし、そんな大昔に通っていた店の中にも生き残りがいたのである!

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神保町の老舗といえばこの店を忘れちゃならんのだが、立地的にこいつだけポツンと西側にあるもんで、中々足が向かないボーイズカレーさんである!

思い起こせば私がまだ孫請けのゲームライターなんて下層職(今も下層だけどな)にあった20歳くらいの頃、毎日のように神保町の編プロに通っては格闘ゲームの当たり判定を1F(フレーム)ずつ調べるだとか、今じゃ気が狂いそうになる作業を繰り返していた。

そんなメンタルをガリガリ削られる仕事の合間に、精神点回復のためにマンガを読んで気分転換していたのだが、その頃に読んでいたマンガの中に『エルフを狩るモノたち』という作品があった。

同年代の方々ならもうお分かりですね。

この『エルフを狩るモノたち』という作品は、作者が無類のカレー好きらしく、自分の趣味を丸出しにして主人公をカレー狂設定にしていたのである。
そのせいで毎号のように出るわ出るわカレーネタのオンパレード。そんじょそこらのグルメマンガよりカレーが食いたくなるという、意味のわからないファンタジー作品だった。

ちなみにこの『エルフを狩るモノ』たちは、今やベタとなったライトなノリの異世界転生系マンガの直系の先祖であり、殆どのテンプレはこの作品が作り上げてしまったと言っても過言ではない、実は非常に重要な存在である。

そんな歴史的にも価値のある異世界モノの大御所なのに、記憶に残るのはエルフよりもカレー。そして神保町という地名に、ボンディやボーイズカレーという店名。

これを読んでいた当時、自分もまさに神保町でカレーを食い漁っていたものだから、非常に複雑な心境だった事を覚えている。
それに妙な仲間意識を勝手に感じてしまい、「神保町でカレー食ってる人間に悪いやつはいない!」と、作品の内容うんぬんはさておき『エルフを狩るモノたち』を応援していた。

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いつものごとく前置きが長すぎますが、そんな思い出がたくさん詰まった店だというのに、もうかれこれ20年はご無沙汰だったオレ。

久々に来てみると、カレーを食うべきか、ハンバーグを食うべきか、生姜焼きを食うべきかで頭が沸騰。腹ペコだったらハンバーグ+カレーの大盛りで鉄板なんだけど、この日はそこまでお腹が減ってる訳じゃなく……。

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