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アリなのかナシなのか超絶微妙なコンセプト「ペット可」の……焼肉屋(まんてん/三ノ輪/焼肉)

我が家は毎年この時期になると千束の鷲神社の酉の市に行くことにしている。そんなにお高い熊手は買わないが、やっぱ季節のイベントって大事じゃん?

だが色々と難点もあって、酉の市ってとにかく人出が凄くて、本当は街全体が屋台村になるあの中で悪いご飯を食べたいんだけれども、とてもじゃないが幼児連れで長居できる状況ではない。

という訳で、今年は屋台での飲食は諦め、早々に退散し、適当なお店で晩御飯を食べようという事に。

だが、鷲神社から人混みを避けるためにどこかへ向かうとなると、最寄りとされている入谷駅方面や、ただでさえ観光客でごった返す浅草は有り得ない。

じゃあどうしようと、思わず吉原方面へ突っ走ってしまったのが大失敗。吉原だけにアッチ系のお店は色々とあるものの、飲食店がねえ!ビックリするほど飯食う場所がねえ!

やばいやばいヘタこいた!と泣きべそかきながら自転車を飛ばしていると、気付けばそこは三ノ輪……。何をどうしてこうなったのかよく分からないが、街の灯りを求めて彷徨ったら三ノ輪に行き着いたのである。

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もうこうなったらファミレスでもファストフードでもいい!と三ノ輪駅周辺を偵察したところ、「ペット可」という強烈な貼り紙の焼肉屋を発見。

……おい、いくらなんでもシャレが効き過ぎてないか?

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彷徨い疲れた事もあり、思わず中に吸い込まれる我々。
店内はゴチャっとしているが、不思議と居心地は悪くない。なんせ「ペット可」なおかつ「焼肉屋」というコンセプトを許した時点で、もう文句を付ける点が残っていない。

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さっそくメニューを確認してみると、まあよくある街の焼肉屋さんといった価格設定。安くはないが決して高くもない。
ざっと見た感じ、盛り合わせ系がちょっとお得なのかなと思った。

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飲み物は正直ちょっと高いかなと感じた。
だがバカみたいに痛飲しなければ我慢どころの料金設定か。

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まずはナムル・キムチ・ガツ刺しでご機嫌を伺ってみる。
するとどうでしょう、どれも味付けがよろしく、特にガツ刺しは個人的に昔懐かしい辛味噌タイプ。酢味噌系やごま油なんかで出す店が主流になっていると思うんだけど、このタイプの味付けは久々に食べた。そしてうめえ。

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「あれ?意外といい店なん?」と心の扉が半開きになったところでお肉登場。とりあえず何を頼んだものか分からなかったので、赤身とホルモンの盛り合わせを注文してみた。

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これをひたすら焼くべし!焼くべし!
ロースター最高!

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やっぱロースター悪くないって。近頃はどこも炭炭炭で。炭焼きも良いけれど、大衆焼肉って言ったらやっぱロースターじゃないか?
赤身だろうとホルモンだろうとあっという間に焼けるこの早さと、暴力的なまでの煙さ。それが大衆焼肉の醍醐味である。

さっき酒がちょっと高いと言ったけど、ここだったら酒は控えめにして、ライス片手にハグハグ肉を食う方がいいのかもしれん。

てか、このお店お肉美味しいんだけど。あまり期待していなかった分、評価うなぎのぼりである。
ただ、上の写真の盛り合わせで2,980円するので、そもそも安くはないってのもある。お値段に相応しい質のお肉が出て来るという感じか。

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〆にテグタンクッパを頼んでみた。こちらも懐かしさを感じさせる「ああ、これこれ」というお味で好印象。
あまりにブラックユーモアが効き過ぎてるコンセプトに負けて入ってみたが、焼肉屋として普通に楽しめるお店だった。

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[特別付録] 犬と語らう息子
なんか知らんけど、呼んでもいないのに店のスタッフ(犬)があいさつに来た。動物好きの息子はテンション↑。普段だったら肉に夢中になるはずなのに、この日ばかりは食事そっちのけで犬に気を取られまくり。

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気付いたら犬に家に招待されてた。
飯食えよお前……。

[店名] 焼き肉 まんてん
[住所] 東京都台東区三ノ輪2-15-8
[TEL] 03-6458-3329
[営業時間] 17:00~24:00
[定休日] 無休?


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