貧困支援団体の失敗の歴史 その3

『貧困支援団体の失敗の歴史』
その1 https://note.com/oharan/n/na50a9eb35b6f
その2 https://note.com/oharan/n/n57815f6379a3

貧困って何だろう?

少々間が空いてしまったが、過去2回に分けて私がとあるNGOスタッフ氏から聞き取り取材をした内容をお伝えした。
清く正しい良い事がしたくてたまらない ”正義オナニー中毒” の病人からしたら頭に来る内容だったと思うが、現実の世の中というのは正義オナニーでは決して良い方向には向かわない。むしろ無責任な正義オナニーによって、失われる必要のない命が失われる可能性すらある。

今回はこうした ”事実” を踏まえた上で、米国で起きている暴動・略奪などの諸問題についてまとめてみたい。

まず最初に考えたいのは 「貧困って何だろう?」 という点だ。

アフリカの貧困村への支援が散々な結果になった例はすでにお伝えしたが、その根本には ”本当の貧困問題” が横たわっている。

貧困の何が問題なのかというと、生命を維持するだけの食べ物や水が得られないという点だけではなく、教養・学力などを含めた 知的レベルが世界水準を大きく下回ってしまう という事にあると思う。さらにはこれに ”情報力の欠如” も加えるべきだろう。

しかも、そうした学力や教養のなさ、情報弱者ぶりは、その当人だけの問題には収まらず、横にも縦にも連鎖してしまう。
例えば、コミュニティがまるごとそういうレベルであるとか、親から子、子から孫へと無教養・無情報の状況が伝えられて行ってしまうとか。

そうなると、教育のレベル、働き口、活動範囲など、全てが向こう何十年にも渡って固定されてしまう事になるのだ。

このような何もかもピラミッドの最下層に固定された人々を生み出してしまい、なおかつそこから抜け出す方法がないという状況こそが、本当の意味での貧困問題だと考えるべきなのだ。

米国基準の人権教育や表現規制を真似てはいけない

アメリカでは、長らく黒人に生まれた時点で行動が制限されるとか、将来の選択肢が大きく狭められるとか、窮屈な生活を強いられるという事が散々指摘されて来た。上で述べた貧困問題のテンプレートのような状況にあると言っていいだろう。

日本よりも人権教育が厳しいなどと言われる事の多いアメリカだが、今回の暴動を見て分かるように、人権教育に割く時間が長いからといって、清く正しい良い社会が実現できるかというと、それは無関係なのである。

いや、むしろ真逆であると言ってもいい気すらしてしまう。
何故ならば、そういう厳しい人権教育をしなければならないほど、のっぴきならない状況であるという見方も出来るからだ。
日本にも部落差別などがあり、それを悪用して弱者利権に群がる輩が現れたりもしているが、それでもアメリカの惨状に比べたらよっぽどマシである。
少なくとも、今の日本では部落だから、在日コリアンだからを理由に、いきなり殺されたりはしない。

また、アメリカなどは黒人表現に対してだけ異常に厳しく、海外(例えば日本)のマンガやアニメなどに対しても国境を越えてイチャモンを付けて来るが、肝心のアメリカ国内では ”このような有り様” であり、そのような表現規制が何ら効果を発揮していない事の証明になっている。

むしろ、連中の表現規制というのは「恐ろしい黒人が暴れ出して面倒臭いから黒人の描写はするな」 といった超低レベルな物だったと考えるべきだ。

よって、アメリカほど悲惨な状況ではない日本が、”あんな状況の国” の教育方針や規制の方針を真似る必要など微塵もなく、むしろそんな事をしては社会にとって害しかないと言っていい。

貧困層の存在を前提とした社会

ただし、日本においても貧困問題の状況は大して変わらない。

上級国民という単語が使われ出して久しいが、日本ではブラック企業が若者の人生をぶち壊しにし、場合によっては自殺や過労死などで文字通り殺し、そうして作った富を一部の上級国民様が抱え込むというシステムが盤石なものとなってしまっている。

本来ならば、労基法などそうした状況にならないように用意された法律もあるのに、何故か全く機能しておらず、弱い立場の国民は強者に命を吸い取られるがままになってしまっている。
これなどまさに貧困国の構図そのものではないかパソナ。何となく言いたくなったパソナ。不思議な魔法の言葉パソナ。

アメリカにおける黒人問題ほど 「絵的に分かりやすい」 という訳ではないだけで、日本にもしっかりと強烈な差別や貧困問題がある。
ただし、今となってはそれは部落差別や在日コリアン差別などではない。人種や生まれは一切関係なく、強者が弱者の生殺与奪権を握ってしまっているという構図が、日本における最大最悪の差別問題・貧困問題である。

救えないのが、この国ではそうした貧困層・弱者層を命尽きるまで使い倒す前提で、社会の仕組みが作られてしまった事にある。
この国は弱者・労働者という被差別民がいなければ会社も経済も回せない。いわばアフリカで黒人を奴隷としてさらって来て、死ぬまでオールを漕がせる ”大航海時代のガレー船” のようなシステムで動いているのだ。

表現規制問題などに限って言えば、アメリカ流の押し付けに対して返す言葉はいくらでもあるが、国民への差別や迫害といった面では、日本は決してアメリカを笑う事など出来ない。

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