見出し画像

店員の聞き間違いにより未知のオーダーが通ってしまった件(蒙古タンメン中本 川崎店/川崎/ラーメン)

近頃仕事で川崎や横浜に行く機会が増えた。あまり土地勘がない場所をブラブラほっつき歩き、飲食店を開拓するといった楽しみを満喫しているところなのだが、先日は川崎駅近くで何を食べよう何を食べようと彷徨った挙句……

画像1

何故か中本発見。

いやお前、中本だったら先代の店に行った事がある板橋生まれのオッサンだし、現体制になってからも散々本店や池袋店に行き倒したし、仕事で新宿に通ってた頃は小滝橋通りの店に通いまくったし、今は自宅から自転車圏内に錦糸町店(元亀戸中本)と御徒町店がある訳だし、折角の川崎で中本て。

画像2

と脳内では四の五の言っていたがすんなり着席。川崎店は初めてだったので、オレ様の流儀としてまずは冷やし味噌を頼んで味のバランスを確認する事に。

これはあくまでオレのやり方というだけなんだけど、冷やし味噌って意外と店ごとに特徴が出て、北極よりも誤魔化しが効かないと思うの。やっぱ食べ進めて行く内に冷めるし薄まるし、時間経過と共に味が加速度的に劣化して行くから、調味が下手だと早々にダメなところが如実に表れるのね。

で、そんな冷やし味噌の食券を店員さんに渡すと同時に、さも中本慣れてます風に「麺ちょい固で」とオーダーするオレ。かこいいオレ。

すると何という事でしょう、店員さんは「ハイ、麺 ”超” 固ですね!」と返して来るではありませんか。

超固?なにそれ?そんなオーダーが中本にあったの?知らないんだけど、麺の超固なんて知らないんだけど!?

無様に動揺して「いえ、ちょい固です」と言い返せず、そのまま「は、はい……」と受け入れてしまったオレのヘタレっぷりをお前らはもっと愛すべきだと思う。

画像3

(いま超固って言ったよね? 麺茹で担当のスタッフにオーダー通す時も明らかに超固って伝えてたんだけど!? なにそれ、どんなもんが出て来るの!?)

冷やし味噌が届くまでドキドキソワソワが止まらない小心者のオレ。何が怖いって、先代の頃から何十年も中本に通っていたのに、自分の知らないオーダーがあった事に恐れおののく。

程なくして大好物の冷やし味噌が来たのだが、オレ様は超固というキーワードが気が気でない。食えないレベルの粉っぽい麺のような何かみたいな物体だったらどうしよう。
まさか「もうちょっと茹でてください」なんて言える訳ないんだけど……。

画像4

まずつけ汁の方から確認。刺激はそこまで強くなく、唐辛子の若さ(ツンツンした辛さ)はあまり出ていない。一味を足さないと物足りないレベルの辛さだったので、もしかすると他の店よりも少し辛さ抑えめなのかもしれん。

ただ味のバランスは悪くないので、お好みで一味ガン振りすればいいだけの話である。

画像5

こちらが問題の頼んだ覚えのない「超固」の麺。改めて写真で見てビックリしたのだが、麺の中心部分の色が濃く、芯が残ってそうなビジュアル。

「あれ~~」と思いながら試しに1本食べてみると、ポキっとしていてこれはこれで美味しい気がする。懸念していた粉っぽさは殆ど感じず、むしろジャンク度が上がって良いかもしれん。

画像6

うめええええええ!
超固麺と冷やし味噌の相性すげえええええ!
何この悪いもん食ってる感!?

明らかに麺とスープの絡みは悪いんだけど、冷やし味噌の唐辛子粉達が頑張ってスープのリフトを手伝ってくれている。

不安で仕方がなかったけれども、他の店でも超固が頼めるなら今度からそれをデフォルトとしたいくらい気に入った。ジャンク度というか、チープ度が増す感じが自分を虐め抜いてる気持ちになってたまらん。ゾクゾクしちゃう。


それはそうと、川崎店の店員の接客態度が非常によろしく、個人的にそっちもそっちで好感が持てた。中本って接客の良い店とイマイチな店の落差が凄いんだけど、川崎店は今後贔屓にしたいなと思えるレベルで良かった。
この日は中本慣れしていないお客さんが食券機の前で悩んでたんだけど、店員が丁寧に辛さレベルを説明して、客の耐性に合ったメニューを提案していて、それに全然嫌味とか「早くしろよ」的なオーラが無く、これなら中本初心者にも薦められる店だなと思った。

[店名] 蒙古タンメン中本 川崎店
[住所] 神奈川県川崎市川崎区砂子2-5-7
[TEL] 044-222-1230
[営業時間] 11:00~23:00
[定休日] 無休?

◇ 著書の宣伝です
『魚屋がない商店街は危ない 東京23区の商店街と地域格差』
MM新書・マイクロマガジン社
定価994円(本体価格+税)
https://amzn.to/2S2gqbB
「商店街の衰退は街の格差を生む。繁盛している商店街は住民の教養が高い。では、商店街が廃れた地域の住民は…?」
板橋区の旧宿場町の商店街出身の私が、東京23区の主だった殆どすべての商店街と、商店街を中心とした生活動線を歩いて回り、その結果を1冊の本にまとめました。
滅びゆく存在となってしまっている商店街こそ、「誰もが豊かに」という日本の文化レベルの高さを底支えしている存在だったのです。

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。