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新シリーズ開始『我が子へ遺したいレシピ』

アラフォーになってから子宝に恵まれた筆者。自分にいつ何が起きてもいいように、「最低限の収入でも豊かな食生活が送れるように」と、愛する我が子へ苦楽を共にしたレシピを書き残そうと考えました。

なるべくお安く、簡単に、間違いなく美味しい物が食べられるレシピを中心に、食事・料理に関する「こんなんでいいんだよ」という情報を書いていきます(本式・本物といった概念からはかけ離れるであろう事を予めお断りしておきます)。

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なぜかメンタルが弱っているのです

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コロナ禍のせいなのか、それとも息子が小学校への進学を控えているからなのか、ここ1ヶ月ばかり私のメンタルがガタガタでござる。

よく「小さな子供でも、進級・進学の不安やストレスで、メンタルのバランスを崩す場合が多い」なんて話を聞くけれども、我が家では愛する息子を心配するあまり、親である私がメンタル崩壊するというまさかの展開に。

最初は「息子は新しい環境で頑張れるかな」とか「調子に乗りやすい性格だから、イキり倒して最悪な小学校デビューをしちまわないかな」とか「今の内に教えておいてやれる立ち回りのコツはないか」なんて事を毎日毎日考えていたのだが、思考がどんどん飛躍しまくり、今では「自分が死んだ後に息子が困らないように」と、自分がもう死ぬという前提で「何か遺さねば」と考えている始末。

「息子と小学校」というそもそもの "ほんわかテーマ" はどこへ行ったんだろうか。なんで死の匂いがするような重たい話になってしまったのか……。

やっぱり高齢出産はよくない。マジで子供は20代の内に産んでおくべき。アラフォーになってから子供を持つと、子供の成長と自分の死が同じ意味になってしまう。

自分が息子に遺せる物は何か考えた

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私の本業はライターという事になっているのだが、たまたま今関わっている出版のお仕事が、人の死と向き合わなきゃならない内容のため、どうも感情がそっちと混線してしまっているようだ。

「息子が小学校に上がる」→「死について考える」

これだけ見ると、論理飛躍だとか認知の歪みだとか、どう考えても "お心をヤってしまっている人" である。笑い事ではなく、心療内科に頼らねばならない事案だと思う。

が、七転八倒した末に辿り着いた「息子に何が遺せるか」というテーマは、案外悪くないのではないだろうか。私も気付けば40代半ばだし、人生の折り返し地点はとうに過ぎている。そろそろ子供に遺せるものがないか考え始めてもいい頃合いだ。

とはいえ、自慢じゃないが価値ある財産などなく、私が息子にしてやれる事と言ったら、今までの人生で得た知識を伝えてやる事くらい。その中でも息子の人生に確実に役立つであろうものは、「お料理」に関する知識だと思われる。

バカにする人間もいるだろうけれども、人間が生きて行く上で料理スキルはとても大事。料理知識のあるなしで、仮に収入が同じでも、生活レベルは大幅に変わる。

たとえば手取りが15万円しかなく、家賃光熱費などで10万円ほど飛ぶとして、自炊能力がなかったらどんな食生活になるだろうか。おそらくコンビニ飯すら高くて手が出ないようなお財布事情になってしまうだろう。

しかし、日々の買い物や料理が最低限できるならば、毎日温かくて美味しいご飯が食べられる。人間、貧しくとも孤独でも、食生活だけでも安定していれば心に余裕が生まれ、そう簡単には壊れないようになる。

息子の世代がこの先どんな時代を生きて行かねばならないのか想像も付かないので、親として「心の頑丈さ」を重視してやるのが一番ハズレがないのかなと思うのだ。

という訳で、荒井家の鬼の台所番として、息子には私がこれまでの人生で学んで来たライフハック的な料理に関する知識を、片っ端から伝えて行こう。心さえ壊れなければ、人生どうとでもなる。

毎日味噌汁を作れる生活をしよう

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息子よ、お前がこれを読んでいるという事は、私はもうこの世にはないのだろう。できれば直接助けてやりたかったが、それは叶わないようなので、代わりにこの文章を遺しておこう。

どんなテンションなんだこの記事。


それはともかく、まず最初にお父さんがお前に伝えたいのは、「面倒でも味噌汁だけは作っとけ」という事だ。必然的に「米も炊け」という話になるが、ここに関してはレンチンご飯でも目をつぶろう。

一人暮らしを始めて自炊してみると分かると思うが、米を炊いて味噌汁を作るのはとても面倒くさい。鍋釜が余計に必要になるし、「うどん・パスタどん!」という炭水化物摂取メニューを1つだけ作る場合と比べて、だいぶハードルが高い。

でもな、味噌汁って意外とどんな具材を入れても違和感がないし、冷蔵庫のお掃除に役立つんだ。それに具沢山な味噌汁は立派な1品料理になるし、逆に刻んだネギくらいしか具がなかったとしても、味噌汁があるというだけで食後の満足度が跳ね上がる。ほっこり温まれるというのも魅力だ。

夏場じゃなければ、多めに作っておいてコンロの上に出しっぱでも何日か保つから、中の具だけ毎日追加するなんてやり方でもいいと思う。

という訳で、今回は超簡単な味噌汁の作り方を教えるぞ。

<味噌汁>
・出汁パック 1袋
※なければほんだし使え
・味噌 できれば2種類(白+α)
※面倒なら出汁入り味噌でもいいよ
・適当な具材(冷蔵庫でダブ付いている物でOK)
・水 500ccくらい

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まずお湯を沸かす。1人分だと200ccもあれば充分だけど、一度に作ってしまった方が賢いので、500ccくらいは水を入れよう。火にかけて少し温度が上がったら、出汁パックを破いて中身を全部投入。

パック状になっているのに破いて使うのはどうかという声もあろうが、粉末だし、それほど汚れないので、中身も食べちゃった方がいいだろう。
ただし、アクのように浮いてくる可能性が高いので、間違えてすくって捨てちゃわないように注意。

ちなみに、出汁パックはその辺のスーパーの調味料売り場にあるはず。安売りされていても800円くらいはすると思うけれど、2~30袋入ってのお値段なので我慢。この出費が嫌な場合は、『味噌+ほんだし』または『出汁入り味噌』を使ってもOK。

ただし、出汁入り味噌に慣れてしまうと、汎用性がないので、応用が効かなくなるという点は注意すべし。味噌(塩味)と出汁(旨味)はそれぞれ別の料理に使える物なので、分けて持っておく方が実は経済的だと思う。

味の素のほんだしのようなシェアの大きな商品は、今は個装されているスティック状の物もあるので、用途に合わせて選べて無駄がない。慣れない内は、そういう物をメーカーが書いてくれている分量通りに使う事をオススメする。その手法に慣れて、自分なりの味を作りたくなったら、出汁パックを使ったり、昆布や鰹節でちゃんと出汁を取るといいよ。

こういう手順で料理を覚えて行くと、失敗や無駄を減らせるので、自炊生活への苦手意識を持たずに済むはず。まずは「簡単じゃん」と思う事が大事。

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さて、出汁パックと一口に言っても中身が様々で、ご覧のように塩・砂糖・醤油(粉末)などがジャンジャン入っている物もある。

こういった味付けが強めのものは、お湯に溶いただけでおすまし的な味が作れてしまうので、しょっぱくなり過ぎないように注意。味噌を溶き入れる前に、絶対に味見をしておくこと。

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お湯を沸かしている間に具材を用意しておく。今日は小松菜と大根が余ってたので、それを使ってシンプル味噌汁にする。

まず「安い!栄養価高い!下処理いらない!」でお馴染みの庶民の味方・小松菜を洗って刻む。高確率で根本に砂がびっちり付いているので、最初に根を切り落として、念入りに水で洗おう。洗い終わったら食べやすいサイズにドンドンと切り分ける。

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火が通るまでの時間に差が出る場合、こんな感じで部位ごとに分けて置いておき、より時間が掛かる物から先に調理して行く。
基本的に、固いとか厚いという要素によって火の通り方が変わるので、食感を気にする場合はちょっと意識しておこう。

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大根は他の野菜と比べると火が通り難いので、なるべく薄く細く切る。最初に平べったい板のような形に切り、それを縦に細く切って行く。

薄切りも千切りもできるスライサーがあればそれを使ってもいいけど、これくらいは包丁の練習だと思って、手で切る方がいいと思う。

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まずは大根から投入。火加減は弱火~中火程度で、グツグツ煮立たせないように火を入れて行く。

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数分経って大根がしなって来たら、小松菜の固い部分から入れて行く。それが柔らかくなったら、最後に葉の部分を入れる。

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具材が柔らかくなったら一度鍋の火を止めてお味噌準備。100円ショップで売っている物で構わないので、茶こしと小さめの泡立て器があると楽ちん。

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まず泡立て器で味噌をすくい、茶こしの中で溶いて行く。お父ちゃんが子供の頃は、おふくろがお玉の上で菜箸でシャカシャカやってたけど、この方法と比べると面倒過ぎてやってられん。

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少しずつ味噌を溶いて行って、ちょうどいい塩気になったら火を付け直し、弱火で2分程度加熱。全体を軽く混ぜたら完成。

注意点としては、味噌を入れてからは弱火で加熱し、絶対に煮立たせないこと。煮詰まるとしょっぱくなり過ぎるので、その場合は仕方ないから水を入れて薄めよう。

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味噌汁とお米が揃っていると、仮にメインのオカズがショボくても、「ちゃんとした物を食べた」って気持ちになれるんだよ。実際に栄養バランスも良くなるし。

ついでに言うと、味噌汁の中に肉だの魚だの貝だの色々と入っていると、それ自体がオカズになって米が進む。ちょっとした鍋料理を食べてる感じになるので、そんなやり方もオススメ。

調理器具が余計に必要とか、洗い物が増えるとか、色々とハードルは高いだろうけど、これを日常的にやれるかやれないかが「今の生活が良いものかどうか」の基準になると思う。

もしも時間的に「味噌汁なんか作っていられない」とか、「そもそも自炊が出来ない」なんて場合は、今のお前の生活環境(特に仕事)に問題があると考えるべきだ。

お父ちゃんとしては、そんな味噌汁も作っていられないような生活を続ける方が不幸になると思うので、仕事を変えるとか、何か別の道がないか探すとか、他の選択肢を用意すべきだと思うよ。

頼るべき場所が労基署なのか、別のお役所なのか、弁護士なのかは状況によって変わるので、ここでは具体的に言ってあげられないけど、困りごとがあった時に相談できる公的な窓口は色々とあるから、ダメ元でそういう場所に駆け込んでごらん。悩みを聞いてくれる他人がいるってだけで心が楽になるから。

人間の人生なんて「絶対にそれだけをヤラなきゃいけない」なんて事はないんだから、家で味噌汁も作れない状況に陥ってると自覚したら、まずその状況から逃げる方法を考えような。

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元芸能記者、元AV監督などなど流浪の人生を送るフリーライター荒井禎雄が、時事ネタ・地域批評・グルメなど様々なジャンルの記事を書いています。…

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。