家は所有しないと自分の好きにいじれないのか?賃貸なら賃貸なりのやりようがあり、それもまた愉し。

 持家か賃貸か、という論争の中で、持家のメリット(賃貸のデメリット)としておカネ以外の話で出てくるのが、「家の中を好きにいじれるか、いじれないか」という問題。

 壁に穴をあけて画びょうや引っ掛けフックを打つことすら、原則として賃貸ではできません。私自身は、長らく持家にいて、それを売っぱらって賃貸に引っ越しました。当初、連れ合いは猛反対。壁にくぎも打てないなんて不便だ、と言ってました。

 そこは工夫で対応するんだよ、というのが私の考えです。制約なく自由に何でもできる中で好きに改造できるのが持家なら、制約のある中で知恵を絞ってどこまできるかに挑戦するのが賃貸。俄然、やる気になりませんか?

 例えていうと、クルマで自由に旅行計画を立てるのか、運行路線とダイヤに制限のある公共交通機関のみを利用した旅行計画にするのかの違いみたい。推理小説じゃないけど、時刻表とにらめっこして、こうしてこうするとこのルートで回れる!みたいなことを考えるのが楽しい私にとっては、穴を開けちゃいけない家で、突っ張り棒とか吸盤とかの便利グッズを如何にうまく使って快適な家を作るかを考えるだけで楽しいですね。

 ちなみに私が前に住んでいた持家は、2000年代の築でそれなりの設備でしたが、昨年引っ越した一戸建ては、1980年代の築。室内のドアというドアのノブはすべて丸型。前の家はすべてレバータイプで、両手がふさがっていても肘で押して開けられたのがそうではなくなり、正直不便さを感じるようになりました。

 ところが、100均には、丸いドアノブにはめるゴム製のレバーを売ってるんですね。古くて不便な家を如何に快適にしていくか。そういう知恵を出し、解決法を探していくのがまた楽しいんですよ。

 家を買うことは、自己実現や、心を豊かにするための道具だ、とおっしゃる方もいるようです。それ自体は間違っていないと思いますが、賃貸でも、やりようによってはいくらでも、自宅をカスタマイズできるんです。どうです、悪くないでしょ?

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