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結婚式のはなし

「結婚式をやる意義がわからなくなっちゃった」
ある時旦那さんに言われた言葉。


私達は2020年に結婚した。コロナが日本で流行し行動自粛宣言。
星野源の「うちで踊ろう」に励まされ癒されていた時期。(なつかし〜)


両家の顔合わせや結婚式の話となるが、お互いに医療従事者であったため現実的に考えて不可能。正直言って、感染のリスクを冒してまでやる気になれなかった。


その1年後に前撮りでウェディングドレスを着た。
結婚式を挙げることが不可能ならば、せめて1秒でも早くドレスを着て、1秒でも若い状態で写真を撮ってもらいたくて旦那さんにお願いした。
友人1人に見守られ写真をたくさん撮ってもらった。
(私の親は遠方なため呼べず、旦那さんの親は声をかけたが来ず)


その後もコロナの感染者数が減るたびに結婚式の話が出ては、職場の院内感染が発生や、コロナ病棟での勤務が開始した。
結婚式へ来てくれる人たちの感染の場となりたくない。参加してくれる人が負い目も感じず、私たちもビクビクと心配しない結婚式が挙げられるまでやりたくない。
未来が見える特殊能力もないのに、1年後の式の予約なんてできません!と諦めていた。


2023年となりインスタグラムで結婚式の投稿を多く見かける様になり、「私たちも挙げたいね」なんて話をしていた。

私は3月に退職し仕事のしがらみも無くなった。
よっしゃ!これで何でもできるぞ!まずは旅行したいな〜その次に結婚式に……


2ヶ月が経ち



旦那さんから「こんなこと言ったら怒られちゃうと思うんだけどさ…」
間を置かずに「結婚式をやる意義がわからなくなっちゃった」と言われた。


「おい!なんてことを言ってんのよ。こちとら何年待っていると思ってるの?あ〜旦那選び間違えたわー」
なんていう怒りも悲しみも湧いてこなかったどころか、スッと腑に落ちてしまった。


前提として、結婚式は素晴らしいものだと思っている。その日だけ主役となり大切な家族や友人に祝福をされるのだから。親孝行とも思っている。


けれど、今の私たち2人にとって、結婚式を挙げることはどういうことなのか。
その日が来たことによってやっと夫婦になれるのか。いやそうじゃない。

周りの人に対して結婚しました。これから夫婦となります。よろしくね。
と挨拶する場にしては高すぎる。

結婚式が大切なものであり神聖な場所である、と思っているからこそ
そこへ2人の同じ熱量の確かな意味が欲しいと思った。

そんなことをはなしながら、
「私たちってめんどくさいね」と2人で笑った。


2人の意義が見つけられた時に結婚式は挙げるのかな。
そんなのも私たちの形でいいじゃない。


とりあえず、2ヶ月後にやっと両家の顔合わせがあります。
緊張するな〜(いやだな〜)