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美しい自然を次世代に残したい。ネパールで経験した「山歩き」と「社会貢献活動」

世界一高い山・エベレスト、その他数々の名峰があるヒマラヤ山脈のお膝元、ネパール。ネパールの魅力は計り知れない。美しい山々以外にも観光資源があり、人々は穏やかで優しく、ご飯が美味しい。

ネパールの素晴らしさは、ひとことでは言い表せない。何時間でも、語れる自信がある。それほど、大好きな国だ。でも、どの国もそうだけど、良い面もあれば、課題もある。

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ネパールは開発途上国というのはご存知だろう。1人あたりのGDPが1004ドル※で、後発開発途上国のひとつ。私が聞いた話では、銀行員で月収は2〜3万。非正規雇用だったらどうだろう。もちろん物価も安いけど、生きていくだけで精一杯だと思う。

※外務省データより


現地の人が利用するバスに乗っていた時のこと。前の席のおばさんが、バスの窓からゴミを捨てた。日本で暮らしていたら、そんなこと、ありえない光景だと思う。でも彼らには、それが悪いこと・恥ずかしいことという、認識はない。

すべての人が教育を受けられず、生きること・生活することで手一杯だったら、他のことを考える余裕があるだろうか。私だったら、考えられないだろう。

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そんな中で、プラスチックゴミを減らそうと活動している、ネパール人の青年がいる。彼の名前はRaj (ラジ)。仕事はガイド。観光はもちろん、トレッキングのガイドもしている。

お客さんと一緒にヒマラヤの山を歩いていて、ゴミの山を見た彼は、環境破壊という課題に直面する。観光客もそうだけど、それ以上に現地で暮らす人々が、山にゴミを捨てるのだ。

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これをそのままにしていたら、美しいヒマラヤの山々を、次の世代に残せなくなってしまう。だれも動かないなら、自分が活動しよう。
彼はLeave no trace (ゴミを持ち帰ろう)をスローガンに、Let’s Clean Up Nepalという清掃活動を始めた。

Let’s Clean Up Nepal
活動ブログ, Facebook
Instagram: @letscleanupnepal


私がラジと、そして一緒に清掃活動をしていた、日本人のミドリちゃんと出会ったのは、ゴサインクンドトレイルの途中のゲストハウス。標高4400mに位置するゴサインクンドは、ヒンドゥー教の聖なる湖があることで有名である。

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偶然出会って彼らと意気投合した私は、翌日ルートが同じだったこともあり、清掃活動に参加した。

自然には還らないプラスチックゴミを拾う。普通に歩けば1時間半くらいで目的地に着く道を、倍以上の時間をかけて、ゴミを拾う。

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ゴミを拾いながら歩くと、いつも以上に多くの人に、声をかけられた。世界中のハイカーからはもちろんのこと、驚いたのは、現地に住んでいるネパール人からもだ。ラジがこの活動の主旨をネパール語で話をして、多くの人が共感していく。ネパールの人々が一緒に清掃活動に参加していく。

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周りに働きかけても変わらないのなら、自分がまず行動して、世界に広めていこう。ラジの活動に、多くの人が共感し、その輪が広がっていく。彼をサポートする人は全世界にいる。日本人のミドリちゃんもそうだし、スイスやアメリカにも、多くの仲間がいる。

私も、彼らとの出会いはかけがえのないものだった。ただ山を楽しく歩くだけではない、プラスアルファの何か。歩きながら自然のことを考える、社会貢献活動を考える、そんなきっかけとなった。

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私に何ができるのか。まずは難しいことでなく、小さなことから始めよう。できることは、当たり前だけど、自分のプラスチックゴミは、街に持ち帰ること。そしてトレイル上にあるプラスチックゴミを、拾うこと。そして、街でもプラスチックゴミを増やさないこと。

今、少しずつ日本でも増えている、エコバッグやマイボトル活動。ひとりひとりが、無駄なプラスチックゴミを減らすという意識だけで、世界は変わるはずだ。未来の子供たちに、美しい地球を残せるように。

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