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アイスが溶ける前に

※台本のため、話口調で進みます。

ここは父、母、兄、弟の家族4人で暮らすおうち。
今日は兄くんが一番乗りで帰ってきたようです。

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兄「ただいまー。
今日も暑かったなぁー。
あれ、まだ誰も帰ってきてない。

こういう時は。
ごはん前だけど、
母さんも弟もいないし...
好きなアイスを食べる、ぜー!!

いぇーい!

よしっ!!
本日のアイスガチャはーー?
(冷凍庫をガラガラと開ける)

おぉ!!
まばゆい輝き、
ハーケンダッツ、クッキー&クリーム!!
これは、父さんだな?

他には...
パウムのいちご味!!しかも2個!
イチゴアイスに、イチゴチョコがミルキーウェイ!最高!

そして、
ガリガリちゃんの期間限定、パインアップル!ジュースを凍らしたようなやつ!いいね!

今日はどれもいいなぁ!

さて、賢い僕はここで推理タイム。


どれだったら
食べても許してもらえるか...?!


まずダッツ。
父さんはたまにしか食べない。
だが、すでに僕はこの夏、1度食べている...。
おそらく買い直したものだ。恨みが深そうだ、やめよう。

こっちのパウムは、箱で6個入りだったもののラスト2コ。家族が1人1コ食べたものだ...。
小さめだし、2個食べるのもあり...。じゅる。

ガリガリちゃんは、
パイン味が大好きな弟のだろうな..。
俺は優しい兄、やめておこう。


よし!!今日はパウム2個にしよう!

妄想の朝のニュースキャスター(以下、女)「現場のお兄さん、本日のアイスはいかがですか?」

妄想リポーター(以下、男)「(3秒後)
はい、こちらリビング、冷凍庫前です。
外の気温は30度。
絶好のアイス日和ですね!
さて、こちらは家族用のアイス、ラスト2コのパウム。本日私がいただきます!」

(女)「はーい、よかったですねぇ。家族が帰ってくる前に、お口に入れてくださいね。」

(男)「はい!それではいただきます!モグッ..」

(女)「お味はいかがですか?」

(男)「やはりクリーミーなイチゴ味は格別ですね。のどかな北海道で育つ、牧場の牛達、さり気なくある真っ赤ないちごが目に浮かびます...」」


弟「ただいまー。さぁどうぞ、上がって上がって。」

弟の友「おじゃまします...。」


兄「(やっっっべ!
弟帰ってきた!!もう1コどうしよ...!とりあえずポケットに)」

弟「あれ、兄さん帰ってきてたんだ。」

兄「お、おう、おかえり。」

弟「うん、ただいま。(冷凍庫ガラガラッ)
あれ、ここにパウムを入れてはず...ないなぁ...。兄さん、知らない?」

兄「知らない。」

弟「兄さん、口に付いてるよ?」

兄「え?そんなことないよ」

弟「ほんとほんと、白っぽいバニラアイスが溶けた感じ」

兄「いや、食べたのイチゴ味だし。あっ。笑」

弟「ふぅん、ここにあったパウムもイチゴ味なんだけど?」

兄「う.....。」


弟「兄さん...?
今度食べたら、ゆ る さ な い って言ったよね?」

兄「つい...ごめんって!誰も食べないから片付けようと思って!!」

弟「来客用ってマジックで書いたのに!!見えなかったの?!」

兄「(ポケットから溶けたアイスを出して見る)ほんとだ。笑」

弟「ちょっと!アイス溶けてる!」

兄「しまったー!シェイクにしたらおいしいよ」

弟「パウムシェイク、美味しそうだけどさ!もう、兄さんの好きな人に手紙渡してあげないから!」

兄「あーー!それは困る!!」

弟の友「(弟くんって、学校では優しいけど、おうちだと気が強いなぁ...)」

こうして、
アイスを勝手に食べる兄は、現行犯で弟に見つかったのでした。

〜END〜

-あとがき-

昔、私が買ってたハーゲンダッツ、妹に食べられてたことがあります。半分だけ残ってたのは優しさでしょうか。



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