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【暗号資産】 ウォレットとは

みんなが想像するウォレットとは違う

こんにちは、Kenです。

今回は、暗号通貨でよく使われているウォレットについて解説していこうと思います。

ウォレットと聞けば、普段使用している財布のことを思い浮かべる人がほとんどだと思います。なので暗号通貨でのウォレットでも、普段使いの財布がデジタル上でも使えるようになったと想像していると思います。

大枠を知る上でそのイメージで全く問題ありません。

しかし、実態は違うということはしっかりと認識しておきましょう。

ウォレットと名前がついていますが、
実際に財布のような役割を担っているわけではありません。

また、聞いたことがあるかもしれませんが、
秘密鍵というものがとても重要になってきます。

この秘密鍵がウォレットの核とも言えるので、
ここを理解するようにしていきましょう。

今回は技術的な話も少し織り込んでいくので、ITリテラシーを高める上でも参考になるのではないかと思います。


ウォレットとは

そもそもウォレットはどう言った仕組みで成り立っているのでしょうか?


簡単に見ていきましょう。

ウォレットには大きく、秘密鍵と公開鍵に分けることができます。

秘密鍵

秘密鍵とは、必ず誰とも被ることがないあなただけのアドレスです。このアドレスで取引の許可を行なったり、送金を許可することができます。

つまり、世界に1つしかない一意のものになりますが、他人にバレてしまうと全ての取引の権限を渡してしまうのと同じになってしまいます。

よく詐欺などが起こると「秘密鍵が漏れた」と取り沙汰されていますが、あれは取引の権限が他人に渡ってしまった結果起こったことです。

なので、秘密鍵は絶対に自分以外に知られてはいけないものであり、厳重に管理する必要があります。

ですが、おそらくこの秘密鍵は普段見ることもなければ意識することもないでしょう。

自分の秘密鍵が何から始まって何で終わっているのか知らない人がほとんどでしょう。かなり技術的なお話になってくるので、むしろ知らなくていいまであると思います。

簡単にだけ説明しておくと、秘密鍵は256bit(データの単位)の無作為に選ばれた数字で、実際に目にするのは以下のような16進数の64文字の文字列になります。

秘密鍵 = 0xf8f8a2f99c8376ccb0871394360d7b27b0554d2cc72bccf41b2705608452f315

こう言った感じ設定されているんだくらいの認識で問題ありません。

秘密鍵において最も重要なのは、自分以外に絶対に知られてはいけないと言うことです。


シードフレーズ

次に重要になってくるのがシードフレーズです。

秘密鍵を現実の鍵に例えるなら、シードフレーズはその鍵を入れている箱を開けるための鍵だと言えます。

つまり、秘密鍵にアクセスするために必要なものです。

最初にウォレットを作成したときに、複数の単語を並べる作業があったと思います。

シードフレーズ

リカバリーフレーズとも言われたりします。

この各単語を順番通りに並べることで
パスワードのような役割を担っています。

ここで厄介なのが管理の方法です。

みなさんが最初にする保管方法としては、
圧倒的にスクリーンショットが多いでしょう。

簡単で間違いがないですから。

しかし、ネットワークに繋がっていないローカルで保管しているのであればハッキング等の被害も何もなく問題はないのですが、危険なのはネットに繋がっている時です。

むしろネットに繋がっていないことの方が珍しいですが、iphoneではicloudサービスがあるので撮った写真がクラウド上で保管されたりします。

シードフレーズをスクショしたものも同様にクラウド上に保管されたりしますが、この状態だとハッキングに遭う可能性が高くなります。

しかも、知らないうちに漏れていることもあるので、
発見が遅れることもあります。

1番いいのはネットから遠ざけることであり、
または物理的なメモやハードウェアに記録したりすることです。

しかし、面倒に感じるでしょうし、これも無くしてしまえばそれまでというリスクもあります。

完璧な管理方法はないので、自分が取れる方法を探りながら管理していくしかありません。

また、秘密鍵と同様に必ず自分以外に漏れないようにしましょう。

他人に知られると、自身の秘密鍵に他人がアクセスできることになるので何が起こっても不思議ではありません。

秘密鍵やシードフレーズがわからずに数億円引き出せずにいる人もいます。管理の方法にしても今までと全く違ったものになると思うので、丁寧にやっていく必要があります。


公開鍵

公開鍵とは公に開かれたネットの世界で、自分のウォレットがどこにあるのかを示しているアドレスのようなものです。簡単には銀行の口座番号とも言えると思います。

例えば、あなたのウォレットに誰かから暗号通貨を送金したいとなったときは、このアドレスを共有します。ウォレットを作ると「0x~」で始まるものがあったと思いますが、あれがアドレスになります。(下の赤丸)

厳密には公開鍵から公開用のアドレスが生成されますが、そこまで意識する必要はないでしょう。

そしてアドレスに、購入したNFT作品を紐づけることで自分が所有する作品だと証明することができます。

なので、公開アドレスを追っていくとその人が持っているNFTなど閲覧できることにもなるので、一度見てみるのもいいかもしれません。

冒頭にも書きましたが、このアドレスは公開することや共有することが前提になるので、相手に知られたらまずいということはありません。

公開鍵は秘密鍵から生成されるものですが、逆はありません。

つまり、公開鍵から秘密鍵を求めることはできない仕組みになっています。

なので他人に知られても問題がありません。そこは安心できるところだと思います。

ここで取引の流れを整理しておくと、ウォレットのアドレス(公開鍵)を送信者に伝え、送信者はそのアドレスを使って暗号化されたトランザクションを送信します。ウォレットの持ち主は、自分の秘密鍵を使ってそのトランザクションを復号し、自分のウォレットにその暗号通貨を受け取ることができるようになります。


公開鍵暗号方式

ここまで、秘密鍵や公開鍵と連呼してきましたが、その大元の仕組みについて少し見ていきましょう。

これらの鍵は「公開鍵暗号方式」と呼ばれる暗号化技術を使用しています。

公開鍵暗号方式は、暗号化や電子署名に使われる暗号方式の一つで、暗号化には公開鍵、復号化には秘密鍵が使われます。公開鍵は誰でも知ることができますが、秘密鍵はその所有者しか知らない状態になります。

これには暗号化の行い方で2つに分けて考えることができます。

公開鍵で暗号化→秘密鍵で復号

これは先ほど説明した通り、暗号化には公開鍵、復号化には秘密鍵を使用する方式になります。

例えば、誰かに秘密のメッセージを送りたいとします。あなたは、相手の公開鍵を使ってメッセージを暗号化します。

このとき、誰でもその暗号文を見ることはできますが、復号化に必要な秘密鍵を持っているのは相手だけで、その相手だけが、秘密鍵を使ってメッセージを復号化することができます。

出典

なので、暗号の解読ができる=正しい受信者に受診されているということになります。

みなさんもよく目にする、「https://~」がありますが、その通信にはこの技術が使われていたりするので通信の安全性が確保されていると言えます。


秘密鍵で暗号化→公開鍵で復号(電子署名)

もう1つは電子署名です。

電子署名は、文書が改ざんされていないことや、発信者が信頼できることを証明するために使われます。

例えば、ある文書が本当にその人によって書かれたものであることを証明する時、文書の作者が自分の秘密鍵を使って文書を暗号化し、それを文書の受信者に送信します。

受信者は、作者の公開鍵を使って文書を復号化し、元の文書と比較します。もし復号化された文書が元の文書と同じであれば、それは作者によって署名された正当な文書であることが証明されます。

このように、暗号化の技術を用いて通信などの安全性を確保する仕組みが公開鍵暗号方式になります。

ただし、必ず相手に渡すまたは公開するのは公開鍵のみです。

秘密鍵は外部に絶対に漏らさないように管理しましょう。


ウォレットの種類

最後に簡単にウォレットの種類と簡単な特徴について語ります。

ハードウェアウォレット

仮想通貨などを保管するためのウォレットで、USBメモリーのような外部デバイスに保存されます。

オフラインで保管することができるため、ネット上での攻撃に対して非常に攻撃がされづらく、ハッキングの可能性が1番少なくなります。

盗難の被害に合わせられない、かつ普段取引のためなどでNFTを移動しない人にとってはかなり有効な保管方法になります。

しかし、デバイスが破損したりデバイスそのものを紛失した場合、秘密鍵が失われる可能性があります。物理的なものになるためコストも高く、管理が面倒に感じることがデメリットとも言えます。

よく知られているものには、Ledger 、TREZOR、KeepKeyがあります。


ホットウォレット

デスクトップ、スマートフォン、ブラウザ拡張機能などのネット上で動作するウォレットで、プライベートキーを保管することができます。

常にネットに繋がっている状態になるため、ハッキングのリスクがハードウェアウォレットに比べて高くなります。

しかし、端末さえあればどこでも繋ぐことができるメリットがあるため、普段使いではかなりの利便性があります。

取引用として作成している人も多く、また複数ウォレットを持つことでリスク分散をおこなっている人もいます。

全てのデジタルデータを保管するにはセキュリティに気をつけなければなりませんが、それを超えてあまりある利便性が大きなメリットと言えます。

Metamask、Coinbase Wallet、MyEtherWalletといったものがあります。


最後に

今回の記事では、暗号資産業界でのウォレットについて、現実の財布と違うところを把握してもらえれば良いかなと思います。

そこから、鍵関係の仕組みを少し知ってもらえれば、自分で自分を守ることにも繋がってくると思います。

もしかしたら変化の早いクリプト業界では、このウォレットよりも便利で安全な方法が出てくるかもしれません。

その時はそれについてまた学び直せば問題ありません。大切なのは仕組みを知って自分がどういった選択していくかです。

人が言っていたからではいつか必ず痛い目を見る瞬間が訪れます。

知らないことを知るのは重い一歩ですが、頑張っていきましょう。

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