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偉い人たち以外の人たちの顔が死んでいる。

私の勤める会社には”全社会議”が毎月頭にある。

これは私が入社した時点で元々存在しているもので、とりあえず私はいつも当たり前のようにお座りしながら、ちょこんすんすんと人の話を聞いている。

会社なので、まずは偉い人たちがいて、あとは偉い人たち以外の人たちがいる。

偉い人たちが前に立って、なんかこう目標とか企業の現状とか、こうなんかスクリーンを見せながら大きな声で腹から喋る。


「会社が大きくなっている!頑張るじょみんな!!!今が踏ん張り時だ!踏ん張るんだ!踏ん張るんば!!」と情熱を込めて一心不乱に髪を掻き乱しながらパッションを爆発させて伝える。


数年前に設立された会社だから偉い人たちだってまだあちらこちらにある穴ぼこちゃんを埋めるべく必死に頑張っているんだ。そうに違いない。



私はお座りしながらちょこんすんすんふむふむガンバるんばんして聞いている。

はっ!!!と気が付く。






偉い人たち以外の人たちの顔が死んでいる



他人の心なんて絶対読めないが、今日の晩ご飯のことを考えているか、または昨日恋人にイラついてしまったことを反省しているに違いない。それか最も最悪なシチュエーションでいくと、近年全世界で流行している”メディテーション”を試みて「聞いたこと、感じたこと、頭に入ってきたことを今は全て手放しましょう…😊」をこの場で実践しているかもしれない!!!!!!偉い人たちが話しているけどそうに違いない!!!!!!


あろうことか、みんながメディテーションで解き放っちゃっている状況下で、私は人前で話すことが苦手なのに数回発表しなくてはならない場面があった。


震えながら前に立つ。見渡す。

やっぱり偉い人たち以外の人たちの顔が死んでいる。


震えながら必死に話す。見渡す。

やっぱり偉い人たち以外の人たちの顔が死んでいる。


はっ!!!と気が付く。





偉い人たちの顔までもが死んでいる…!

さっきまで生き生きとルンバルンバ言うてたのに…!

要するに、ついに偉い人たち&偉い人たち以外の人たちの顔までもが死んだのだ。

7歳の頃に算数とは縁を切ったはずだが、とにかく約2倍であることくらいは理解できる。

いや、2倍とか円周率=3.14とかルートとか引っくるめて、ここにいる全員の顔が死んでいることくらいは暗算でできる。簡単だ。それはeasyだ。




友人がお掃除ルンバは隅っこも意外と掃除してくれると言っていた。

顔は死んでも、心は生きているんば。

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