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配信後記(第4回)モルカーは「干し草」を食わない

でもゴミは食う

ミリしら状態で流行りものを語るとかいうハイリスクな配信だった。テープが回っていると不思議と口が回るもので、Twitterのタイムラインでチラっと見かけただけのものをまるで「観て」きたかのように語ってしまう。魔力。

この前こんな誓いも立てた以上、そのままの状態でいるのは良くないと思ったので、収録後に配信済みだったモルカーをすべて観た。バンダイチャンネルやPrime Videoなど、各種配信サイトで観られる。

1話2分40秒で展開されるテンポの良い展開。セリフは一切なく、キャラクターの身振り手振りと効果音だけですべてが表現される世界。それでも十分に伝わるシンプルかつエモーショナル全振りのストーリー。パッと見では明らかに子ども向けのキャラクターデザインなのに、展開の随所に見られるオトナ向けコンテンツのパロディ、パロディ、パロディ……

テレビ東京「きんだーてれび」内の1コーナーとして放映されている以上、主たるターゲットが子どもであることは間違いない。それなのに、この「PUI PUI モルカー」はインターネット(主にTwitter)を中心にブームが拡がっている。「なぜモルカーはここまで大きな注目を集めているのか?」という話は、わざわざ僕が分析をするまでもなく既に各所で行われているから探してみてほしい。

キーワードはたぶん、見里朝希(みさと・ともき)監督の経歴と、ライムスター宇多丸氏だ。特に監督の代表作のひとつでもある「マイリトルゴート」は、ファンシーなフェルト人形を使ってダークでグロテスクな世界観を描いたアニメーション作品として、以前からインターネットのスキモノの間で話題だった。

この遺伝子は確実にモルカーにも受け継がれていると思う。もちろん、舞台は「きんだーてれび」であってグロもゴアもご法度ではあるのだけれど。ファンシーなものがファンシーなことをするだけではない、いわゆる「大人のシルバニアファミリー」的なギャップを内包した世界観が「インターネットのみんなたち」の琴線に触れたのだろう。

それと各所に仕込まれたネタ。こういうの探すの好きだよな、みんな。

もちろんPR施策的なパワーだけでなく、作品づくりの丁寧さ、制作チームの念の込め方が強いことが第一にあってのことだというのは間違いない。

公式サイトに上がってる、監督のインタビューをシェアして今回は終わろう。モルカー、BGVとして流すにはセリフがないので辛いが、なんにも考えず可愛い成分を摂取したい時に特にオススメである。

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