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サブカルに傾倒してきた三十路男が気づいたらただの世間知らずに成り下がっていたので今さらながら大衆文化を追っていこうと考えた話

「いま流行の●●」と聞くと、「ケッ」と思ってしまう自分がいる。大勢が良いと思っているものをあえて避け、サブカルチャーを好むことで「自分はメジャーに与さない、独自性を備えた人間だ」と思いたがる気持ちは強い。「何者かでありたい」「一角の人物として認められたい」という欲求は、僕たち創作者(クソデカ主語)にとって持病のようなものだ。メジャーを追わないという行動は、自身のユニークネスを主張できるお手軽な方法なのだろう。

しかしその結果生まれたのは、ただ流行に疎いだけの三十路男だった。大衆文化に対する理解とトレードオフで得たものは、世間的な感覚との乖離だけだ。これまでの人生、何度人からオススメされたものについて「あ~、僕はいいです笑」と言ってきたことだろう。そしてその度に「メジャーを志向できない俺」に暗いよろこびを感じていたのである。

サブカルは確かに素敵だし、大衆文化が表現し得ない解放区的な魅力は確かにある。だけどその魅力は文化相対的なものじゃないだろうか。光と影、コインの表と裏、マイメロちゃんとクロミちゃん、紀伊国屋書店とヴィレッジヴァンガード……メインストリームとサブカルチャー。

僕たちは、明らかにサブカルチャーを偏愛しすぎている。その本当の魅力を知るためには――あるいは大衆文化に対し正々堂々と斜に構えるには――プライドを捨てて流行を追うことが必要な時期がきているのではないか。

つい「ケッ」と思ってしまったものに対して逆張りの逆張りで体験することで、流行をキャッチするアンテナを磨いていこう。このマガジンを通じて目指すのは、真正面から大衆文化を腐すことができる、新たな自分だ。

ぼちぼちやっていこうと思う。

我が家のねこのごはんが豪華になります