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”ESG投資で激変! 2030年会社員の未来”  を ”起こりうる未来”に備えるために読む


第1章は
”なぜ企業にESGが必要なのか”

筆者の市川さんが社外取締役を務める
株式会社クラシコムの青木社長との雑談がすべての始まり

”ESGとかSDGsとかは、人として当然やることだとは思うのだけど、腑に落ちていないことがある”

”投資家とは利益を追求する人たちのはずなのに、なんで利益に関係ないことを主張するのか疑問”

”特にEの環境問題とか、対策したら利益減っちゃうし、どうしてなのかな、と思って”

こんなやり取りから始まる。

第1章だけでも
ESGってなんなの?
という基本的な疑問に対して答えるだけでなく、
企業とステークホルダー(株主だけでなく、従業員、取引先などすべての利害関係者)の関係においてESGが不可欠であるという専門的な部分について腹落ちして理解できる。

<未来予測の本>

タイトルは
”ESG投資で激変!” だが、投資手法の本ではない
”2030年 会社員の未来”
というタイトルの通り、未来予測の本だ。

未来予測にもいろいろある。
・思い込みによる未来の予測
 これは”妄想”(本の中で使われている”妄想”とは違う)
・期待による未来の予測
 これは”願望”
どちらも起こるかどうか、予測の精度は全く未知数なもの

この本は、この2つのどちらでもない
・”ほぼ起こりうる未来”の予測
の本である。

〇ESGの意識が最下位の日本!

世の中には
”ほぼ起こりうる未来”
というものがある
例えば、日本の少子高齢化
2040年には人口の35%が高齢者になるという予測。
日本人の寿命、死亡率、出生率が大きく変化することは考えにくい。

この書籍で書かれているのは
”価値観”の未来予測

”世界で重要視される価値観”
はすでに変化している。
その価値観はESG。

ESGやSDGsに関する意識調査が
日本、米国、英国、中国、インドの5か国で行われた
「多少値段が高くても環境に優しく生産者にフェアな商品を買う人の割合」
について、
日本は”ぶっちぎり”の最下位!!
(具体的な数値や順位は読んでのお楽しみ)

日本はESGやSDGsに対する意識や行動が海外に比べて大きく遅れていることを表している。
海外ではESGを基準とした投資が”当たり前”になっている。

〇最下位だが動き出している

毎日見ているものの変化は気付きにくい
たまに見るとその変化の大きさに驚くことがある。

植物の成長も、毎日水をやりながら観察していると変化に気付かなくても、
録画した動画を早送りで見るとその変化に驚く事がある

”ぶっちぎりの最下位の日本”でも動き出している人たちがいる。
それは日本の未来を担う若者たち。
彼らはESGの価値観で物を買ったり、就職先を決める基準にしているという例が増えている。

優秀な若者ほど、問題意識が高い。
環境負荷の削減の努力をしているか、企業の活動が社会に貢献しているかを見ている。
ESGに対する意識が乏しい企業は就職先として選ばれなくなる。
ESGの意識をおろそかにする企業は長期的な成長を担う優秀な若者を雇用できなくなる。

〇急速にキャッチアップに動き出す(かもしれない)日本

世界はESGが当たり前になっている
動き出したばかりの日本に比べてだいぶ先を進んでいる。

ゆるく変化している日本。
劇的に変化するのではなく、緩いスピードで変化している。

がしかし、

動きが遅いことが致命傷になりかねないと企業が危機感を感じ
これからの日本は変化のスピードが加速するかもしれない。
遅れを取り戻すために走り出す
一部の企業は今まで温存していたパワーを出してがむしゃらに追いかけようとする。

投資先がない日本企業はお金をたんまり貯めこんでいる。

長期的な成長のために投資する先が見つかり、投資を積極化すれば変化のスピードが上がるだろう

日本においてもあっという間にESGが当たり前になるだろう。

そんな
”起こりうる未来”
を予測した本

日本で当たり前になる前に
ESGと私たちの生活の関係を腹落ちして理解するうえで最適な1冊。



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