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人生初のひとり暮らし、カナダで引きこもり

初めてのひとり暮らし、不満だらけで終わった。受け身でいるのも、理想を持つのもほどほどに。

今から9年前、ケローナという町からバンクーバーへ引っ越した。初めてのひとり暮らしは広いワンルームの地下。そこは薄暗くて寒いから、何か”出そう”で少し怖かった。

レイアウトや部屋の物はこんな感じだった

外に出れば、そこは便利なエリアだった。ドラッグストア、日本食店、スタバ、スーパー、駅がある。バンクーバーは都会で、娯楽もいっぱいあって退屈しない場所。

それなのに、ひとり暮らしにワクワクするどころか、疑問からスタート。どう生活すればいいんだろう。生活に必要なものはどこで手に入れたらいいんだろう。

すぐにカナダ生活の理想と現実の差に落ち込んだ。

女友達とお泊り会、おしゃれしてパーティー三昧な日々を期待した。まさに、海外ドラマのような煌びやかな生活が用意されていると思った。

でも現実は、引きこもりの生活。

友達の作り方も分からない、社交的な場は苦手。ちょっとそこまで買い物するだけでビクビク。ポイントカードの有無を聞かれるだけでもドギマギ。

カフェに行きたくても、英語を聞き取れなかったら恥ずかしい。人が怖い。英語を話せないのも怖い。

あの頃は、人に何かを指示されないと何もできなかった。どうにかする術は考えられるけど、人に言われた通りに動く方が楽だった。

薄暗い部屋の中で毎日ひとり。テレビもない、趣味もないから、ボーッとして過ごす。

思ってた生活と違う。環境が悪い、人が悪い。おもしろくない。離れて暮らす旦那さん(当時は彼氏)には愚痴と八つ当たりばかり。

今なら分かるけど、受け身では何も状況が良くならない。全部自分の心構えが良くなかったせいだ。

カナダは日本のようにあれこれ、人やお店が自分のために気を回してはくれない。人として当たり前の思いやりはあっても、必要以上に「察して」はくれない。

自分のことは自分でする、自分の行動に責任を持つ。自分でできないこと、助けが必要な時は言わないといけない。

引きこもり生活は3ヶ月くらい続いた。

外に出るようになったのは、ケローナの語学学校の元クラスメイトがバンクーバーに引っ越してきたから。その子と遊び始めてから友人が増えて、自然と出かけることも増えた。

国が変わっても、自分が変わらなければ、楽しい生活なんてできない。人のせい、言い訳ばかりでは、日本にいたって、どこにいたって不満だらけになるだろう。”理想”はただの”幻想”だった。

女友達とお泊り会も、おしゃれしてパーティーにも行った。でもその裏では自分の至らなさ、自分の無知によって終わった人間関係も数え切れない。私は生活だけでなく、人間関係も相手任せだったのだ。

その後、シェアハウスが見つかったからひとり暮らしは終わった。そこからは色んな人のおかげで、バンクーバーライフが少しずつ楽しくなったのだった。

※もう期日はとっくに過ぎてしまったけど、メディア・パルさんの企画のために書いた。

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