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「自分の意見に価値がない」と思い続けたら、一生気がつけなかったこと

寝たら嫌なことを忘れる、どうにもならない物事には「何とかなるよ〜」って考えるタイプ。

だけど先週は生理周期でもないのに、生理前みたいに悲しくなったり、苛ついたり、感情のコントロールも難しかった。好きなことをしても、旦那さんに話を聞いてもらっても、気分は良くならないのが不思議だった。

さらに、文章も書けない。書こうとすると金縛りみたいに指が動かなくなって、思考が停止。「どうしたんや、私!」頭の中が混乱して、迷子になる。そうすると焦って、余計に苛ついて泣くしかできない。

ここで、旦那さんの出番。私を落ち着かせるのが上手な彼は、混乱した頭の中、一週間まるごと落ち込んでいた原因、どうしたら気分がよくなるのかを一緒に考えてくれた。

よく掘り起こしてみると、文章が書けないのは「自分の意見に価値がないから」と思っていることが原因。旦那さんは達観した考えを持っていて、尊敬できる。noteでは人の心に響く文章を書く人もたくさんいるから。

自分が頑張っていることは何やねん!何のためにやってんねん。私の意見なんて何の価値もない。旦那さんと比べてしまう。だから人と話していても、noteを書いていても、どこかで見たことある文章、カッコつけた文章しか書けないし、当たり障りのないことしか言えない。

ご飯中に机に伏せってシクシク泣きながら、私には無理、無理、無理。何を言っても価値がないんやから…と思った。頭の中の自分も「ほらね。ずっと言ってるやん。」と同意する声が聞こえる。旦那さんは静かに様子を見守りながら、箸をすすめる手を止めない。ああ、私のお鍋の取り分が減っていく。

「Maiは泣かないと、追い込まないと本音を言わんねん。ほんでも、そうなったら自分の中で思うことはいっぱいあって、ちゃんと言葉にできるねん。オレは喋らへんから、思っていること何でもええから言うてみ。」

泣いてから一度いじけてみると、ほんまに私はだめな人間か?ほんまに無理なんか?って前向きに考えられるようになる。

ポツリポツリ、思いついたことから順に脈絡なく全て言った。「ご飯の続き食べたい」、「泣きすぎてしんどい」、「自分の意見には価値がないから、私の心の奥底で思っていることは言ってはいけない」。

どんなことを言っても、旦那さんは一切口を挟まずに、ジッと私の顔を見て話を聞いていた。時折笑ったり、相槌を打ったり。最後の方は私の独り言みたいになって、「自分の意見に価値がない」のは思い込みだったと分かった。

親にお金を取られたり、自分の人格を否定されたりするのは慣れていたけど、心の奥底にある考えだけは傷つけられたくなかった。旦那さんにすら話したことのない、私だけの気持ち。

「あ。自分の意見に価値がないって思い込んできたけど、実は違う。自分の中であたためてきた大事な気持ちやから、それを誰かに話して否定されるのが嫌だった。価値があるから、ずっと扉に鍵をして守ってきたんや。家族に好きなものは奪われて、欲しかった愛情は与えてもらえんかったから、この気持ちだけは家族にとられたくなかった。これくらいは隠し持ってたって罰は当たらんでしょう?誰にもシェアしないのは孤独やけど、傷つけられることもない。」

ダムが決壊したかのように、涙が止まらなかった。

家族に虐待された人は「アダルトチルドレン」とも言うけど、私の心にいたのは子供ではなくお姉さんだった。ずっと私が傷つかないように、嫌なことを思い出さないように扉の門番をしてくれてた。そこを開けようとすると、涙が溢れる。自分の感情の抑えがきかなくなるサイン、だと教えてくれていた。

その扉を旦那さんにこじ開けられて、自分の本音にたどり着いた時に「やっと気がついたんやね。もう大丈夫よ。あなたが誰かに意見を否定されても、守ってくれる旦那さんがいる。」って言われた気がした。何も言わずにずっと抱きしめてくれて、背中をさすってくれる旦那さんの手が暖かったな。

「Maiの言葉は、ファストフードみたい。言葉にした時はもう加工されてんねん。オレは生の言葉が聞きたい。それこそ、畑から収穫したばかりの土がついたキレイじゃない大根みたいに。」

大根をキレイにして、無駄無くお料理して、人前に出せるカタチにすると同じで、文章もそうしないといけない。表面上のきれいな言葉だけを並べてカッコよく見せたって、所詮それは飾りでしかない。飾りは豪華に見せてくれるけど、飾りすぎると素材は埋もれてしまう。その素材が私らしさなのに、飾りばかりを意識していた。

こうして自分の本音を吐き出して、スッキリした。胃もたれが解消されて、心も体も軽くなった感じ。

ずっと私の心を守ってくれてた頭の中の自分に感謝。もうその扉は強固に守る必要はなくなったから、無意識に選別してしまう心の本音を「しっかり」聞き取る手助けをしてもらおうと思う。

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