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不合格からの1年間、あなたへの祈り

2021.3.15

こんにちは、まおです。
なんだかやるせない気持ちに襲われてこのnoteを書き殴っています。

というのも、私はとある予備校でスタッフをしているんですが、担当していた生徒たちの受験が大方終わりまして。結果として、満足するところに合格できた生徒の方が少なかったです。

なんだか受験ってちっぽけなものさしですね。たった一回の、数時間の試験で、積分一つその場でできるかできないかだけで「あなたはいい」「あなたはだめ」ってレッテルを貼られるんですから。

もちろんそのために、その一問のために、何時間、何日、何年を費やしています。場合によっては浪人までして。それはそう。分かってる。たかが積分一つ。されど積分一つ。そういう世界なのは十分に分かっています。実際に私だって数年前までそのものさしの中を必死に生きていたわけだし。
それでも、やるせない。だからこそ、の方が正しいかもしれません。

毎日塾に来て、最後まで残って頑張っていたこと。
模試の結果に落ち込んではまた気持ちを奮い立たせていたこと。
周りから出遅れた分を必死に取り返そうとした夏のこと。
目標を見失って、それでもまた再スタートを切った秋のこと。
周りの受験モードではない雰囲気に流されまいと孤高奮闘したこと。
誰よりも謙虚に、着実に成績を伸ばしていったこと。
「受験生はみんな頑張ってる。」そう言われたらそこまでかもしれない、それでも。あなたたちだって負けず劣らず頑張っていました。

”不合格”、大学が通達するそんな無機質な3文字だけで生徒たちの”これまで”が全否定されるなんて、あまりにもむごい。

私は見ていましたよ。数えきれないほどの努力を。これまでの日々を。
こんなことしかできなくて情けないけれど、全員を合格させてあげることはできなかったけれど、せめて私は生徒たちの”これまで”を認めてあげたい。


不合格、たった3文字で片付けられたその努力を、なかったことにはしたくないから、こうしてnoteとして残しておきます。
不甲斐ないスタッフだったけれど、あなたたちの頑張りを間近で見てこられて本当に嬉しかった。
この先の大学生活が充実したものとなりますように。
落ちた。浪人が決まった。悔しい。今はそれでいい。
今はそれでいいから、数年後、数十年後に大学受験を振り返って「いい経験だった」と思える日が来ますように。

ありがとう。この春のこと、きっとずっと忘れません。




2022.2.24

と、ここまでが去年の春の話。
下書きに残したまま一年間眠っていました。実はこの話に続きが生まれたので下書きを引っ張り出してきた次第です。

私の担当していた生徒の中に今年浪人していた生徒が一人いました。その彼からなんと連絡が来たのです。彼自身も浪人を始めるタイミングで予備校を変えていますし、私も一年前にスタッフを退職しています。ずっとずっと気になっていて、でも状況を知る術がなく、もうこのまま連絡を取れないままだろうと思っていたので連絡が来たとき、嬉しさと驚きでいっぱいになって。

連絡の内容は「去年第一志望としていた大学に合格した」というものでした。スタッフを通じて連絡を貰ったので報告の時の声や顔は分かりませんでしたが。きっと嬉しいのを押し殺して、なんてことないような素振りを見せていたんじゃないかなぁなんて。本当はとても素直なのにそれを表にはなかなか出せない、そういう子だったんです。 

本当に嬉しかった。合格したことももちろんだけれど、連絡をくれたことが。彼にとって私やスタッフが「連絡したい対象」になれていたことが。1年間私なりに応援して、サポートしてきたことが少しだけ報われたようなそんな気がしました。


合格おめでとう。これで私のスタッフとしての役目も本当に終わり。かけがえのない経験をさせてもらいました。あなたに素敵な大学生活が待っていますように。ありがとう。


#大学受験 #受験生 #大学生

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