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ケンカの種を見守ること。

輝く子どもの居場所づくりワークショップ、4回目。

本日もケンカ勃発!
些細なことだけどケンカが始まった。

「私の番!」「いや、僕の番だよ!」

ただ今回はもう一人でてきた。

「おい、ちょっと来い。何があったの?」
「なら、違うペア同士組めばいいやろ」

一人の男の子が、ケンカの仲介して、二人の話を聞いて、
二人が納得する解決策を提案して実行。

そのあとみんなが気持ちよく活動できたのだ。

....小学生なのに、すげえ。


それが起こったのはエアファイティングの練習をしたときだった。

(そもそも、1回目のワークショップの際に、やんちゃ達の「ドッジボールがしてえ!」の言葉から、このワークショップのゴールは「エアードッジボールをする!」ということなっている。

エアドッジボール、想像いただくと分かると思うが、大人でも結構難しい。相手に見えないボールを投げるだけではなく、ボールを受け取ることや、ボールに当たることも必要になってくる。

エアドッジボールを実現させるため、お互いのことを知ることや、相手とのやりとりができるように、かよねえ(講師)がワークを進めている。その中の今回はエアファイテングである。)

さて、エアファイティング。簡単にいうと二人組で殴りあう。ただしエアなので、畳一枚分離れて立つ。そして今回特訓なので、攻撃→受ける→攻撃→受けるの順番を決めてやっていく。また殴ったり蹴ったりするのはスローモーションで攻撃する。

「えええええいいいい!」👊
「どわっっっ!」

って感じ。

相手に自分から攻撃することも必要だが、攻撃を受ける方も相手をよく見なければいけないので、かなり大切である。そして、このやりとりが面白い。

それを子ども同士で二人一組で練習していたときだった。

「えいえいえいえい」
「えいえいえいえい」

ケンカした二人は、同時に攻撃しているのだ。これじゃ全然、やりとりにならない。

私「二人同時にしよるやん!」

と私は言ってしまったときに
無意識の心の声に気づいた。

心の声『やりとりできてないやん!やらせたいこと(このワークの目的)と違う!』

その心の声に気づいた私は、

やば!

と思って、
「おもしろいねー!いいよー続けてー」
と言って離れてみていた。

そしたら、

二人がだんだん上手くいってないことに気付きだしたのだ。

攻撃をする合間に相手を見るようになり、

自分の思ったように相手が攻撃を受けてくれていないのに気づく二人。

「ねえ、私の番!」「違うよ!僕の番だよ!」

そして、ケンカが勃発。

二人とも
「こんなんじゃやりたくない」
状態に。

しかし、最終的には一人の男の子が上手くケンカをまとめてくれたのだ。


私はあの瞬間、危うく、子どもたちの気付きや、優しさ、相手と向き合うという経験を奪うところだったのだ。

しかも、私が口を出して
そこで順番を決めたり指図したところで、
二人は「やらされてる感覚」
で活動をすることになって、その二人は全然盛り上がらなかったと思う。

この

「正しいことさせなきゃ」
「今はこれをやる時間だから」

という心の声は、常に自分の中にいる...!という気付きを、
今日は子どもたちから与えてもらった!

これは目的が、

「子どもたちに自分の意図したワークをやらせること」

なのか

「子どもたちが伸び伸び活動できるように関わること」

なのか、の違いである。
それによって子どもたちとの関わり方は全く変わってくるのだ。

活動が上手くいっていなかったり、子ども同士のケンカがあると、私も含めた大人はそのことに向き合わず、

「上手くいくように」
「ケンカが起きないように」

と、そのことを避けようとしてしまいがちだ。


しかし、その「上手くいってないこと」こそ、

子どもたちが考えたり行動したりする、絶好のチャンスなのだ!


そこに、
子どもたちが伸び伸び活動するための
"種"が埋まっているのである。

種がなければ、大きくなるものも育たない。

目の前の子どもたちと関り合いながら、
種を見つけたら、
その種をつぶさないように、埋めないように、

丁寧に根気強く向き合って
でも口は出さず、
温かく見守れるようになりたい。

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