20日目　褐色肌の少女

まず、一つ釈明させていただきたい
私の今日の夢はとても覚えろげで凍った薔薇のように弱々しいものだった
故に、目覚めた瞬間にそのほとんどは崩れてしまった
ただ、一人、褐色肌の少女が一人出てきたのを覚えている
髪は明るかったがアジア系の顔をしていた気がする
景色は近未来的で(映画の『トロン』のような)ファッションは現代的だった
彼女が出てきたのは確か一瞬であった
今日の夢は割とストーリーがしっかりしていて沢山の冒険をしていた
見知った人間も多く出てきたし、彼らに対する喜怒哀楽も沢山あったのだ
しかし、その全てはボヤけ薄れてゆき、視界の端に映っただけの彼女だけが鮮明に浮かび上がった
おそらく、彼女だけが夢の中でのオリジナルで、現実でのモチーフは存在しないのだろう
また会えるとしたらきっと夢の中だと思う
まだ、私に夢をコントロールする力はないが、今度会うときは話しかけてみたい