神保町裏路地日記(21) 2024/11/19㈫ 日曜日、月曜日と2日間連休を頂きました。「お、休みなんて余裕だねぇ」とお思いの皆様、しっかり2日間ともお酒の営業に行って参りました。日曜日はうちの常連さん達と行く月一回の山の会と酒蔵見学で神奈川へ。月曜日はお世話になっているお客様の主催される会で千葉酒を紹介するべく、千葉へと夫婦ともども遠征です。コンパクトですが西へ東へ、プチ出張と言って良いんじゃないでしょうか。 日曜日にお伺いしたのは神奈川県相模原市の『久保田酒造』
神保町裏路地日記(20) 2024/11/18㈪ 「なんでお前ここのお店知ってんの?」 「いやぁ、調べてたら神保町で千葉の酒が飲める店があるって出てきてさ。」 「ふーん。良いじゃん。」 カウンターの向かいに座った男の子達が周りのお客さんに気を遣いながらヒソヒソ声で話しているのが耳に入ってきてこそばゆくなります。どう見ても会社員には到底見えないフレッシュさが気になって話しかけてみたら、皆千葉県内の、同じ高校の同級生なんだそうです。 皆よく日本酒を飲む子達です。そのうち
神保町裏路地日記(19) 2024/11/16㈯ 昨日はさすがのうちでも世間様と同じ様に金曜日らしい営業になりまして、おかげさまでそれなりにバタバタバタと忙しくさせて頂きました。仕事終わりに妻とする仕事の話も忙しさに比例して熱を帯びます。遅い夜ご飯を食べながら「あーしたほうが良い」や「こーした方が良い」の話をひとしきりした後、妻を先に家に返してからが片付けの始まりです。 神保町の夜中は驚くほどに静かで、通りには全く誰もいなくなり物音ひとつ立ちません。秋の夜に店の入口を
神保町裏路地日記(18) 2024/11/15㈮ 〇〇と△△を間違えちゃったというのは、それが何であれ誰でも経験したことがあるはずです。僕は子供の頃に神社で遊んでいた時に、喉が渇いたからって境内にあった水をガブッと飲んだらそれがお酒で酷い思いをしたことがあります。大学生の頃にアルバイトをしていた居酒屋では、お師匠さんに「裏からキャベツ取ってきて。」と言われた時に疑うこと無く勢いで白菜を持ってきてしまって、「おめーにはこれがキャベツに見えんのか!」と大笑いされたことがありま
神保町裏路地日記(17) 2024/11/14㈭ 最近お客さんの間で密かに流行っている本。早見和真著『アルプス席の母』を読み終えました。活字が苦手な僕、元々はうちの常連さんが「これは面白いですよ!」とオススメしてくれた本をまず妻が読んで、「これは読みやすいし面白いよ!」と勧めてくれて、ようやく手を付けました。こうやって何か書いてアウトプットするのは出来ても人の文章を読んでインプットするのはどうにも苦手です。うーんと思いながら手にとって読み始めると、あれ?読みやすい。結局一
神保町裏路地日記(16) 2024/11/13㈬ 日頃お店のことはSNSを中心に発信させて頂いておりますが、有り難いことにそれを見て千葉のお酒に興味を持ってくれる人がいらっしゃいます。ふらっとお一人で来られるお客さんと話をしていると、「ネットで(もしくはSNS)で千葉酒が飲める店があるって知ってさ。」と言ってもらえると嬉しくなります。僕と妻の二人で小さく小さくやってるけれど、ちゃんと見てもらえてるんだなと思うのです。 千葉県の酒蔵の数は意外と多くて、先日千葉の酒フェ
2024/11/12㈫ 神保町裏路地日記 普段あまり日本酒の専門的な知識についてお話をすることが少ない僕ですが、酒場で日本酒の話をする時にこんな質問をよくされます。それは、 「特別純米の『特別』って何?」 という質問。これって「山廃って何?」「火入って何?」って質問と同じくらいよく聞きます。実はこの質問って結構飲食店従事者も日本酒の資格者も答えづらいんじゃないかなと思います。僕もあまり深掘りせずに、「特別な醸造方法ってことですよ。」と話してしまうことが多いかも。深掘り
2024/11/11㈪ 秋深まるの話 昨日は定休日でして、友人達と山梨県の日向山へ山登りに行きました。南アルプスの甲斐駒ヶ岳や、八ヶ岳が見られる眺望の良さと、『天空のビーチ』と呼ばれる白砂の山頂が人気の山。 山では紅葉が丁度良い季節です。日本気象株式会社によれば今年の東日本の紅葉予想は山間部が10月下旬から12月中旬にかけて、平野部では11月下旬から12月下旬にかけてが見頃だという予想だそうです。昨日歩いた日向山は登山口が標高800m、山頂が標高1,660mでしたが
2024/11/09㈯ 思い出の玉子焼きの話 例えば関東と関西でうどんの出汁が違うように、地域によって味付けがまるで違う食べ物というものはいくつかあって、『玉子焼き』という料理もその一つです。使っている調味料の種類や出汁の取り方も巻き方も、関東と関西で違うらしい。そしてこれは地域性というわけでは無いけれど、呼び方もそれぞれ。つまり、『卵焼き』なのか『玉子焼き』なのかも統一されているわけではないようです。 気になって調べてみると『違い』について説明されたものが出てくる
2024/11/08 “アカデミックな話”は面白い話 神保町で店をやっていると、学校や出版社も多いという場所柄様々な分野において専門性に優れた人に出会う事があります。知っているようで知らなかったこと、これまでの人生で気づくことがなかったこと、色んな話を聞かせてくれます。そういう話を聞かせて頂くたびに、「まだ自分はこの世のことをなんにも知らんなぁ。」と思わされるのです。 特に僕が興味を持ってしまうのはやはり『山』の事や『自然』に関すること、それに『人』や『歴史』や『文
2024/11/07 僕だって酒場や日本酒は好きな話 何を隠そう僕はお酒が飲めません。殆ど飲めない。アルコールを摂取すると顔が赤くなり、頭痛が酷くなって眠くなります。「お酒を飲んでいるうちに慣れるよ。」と励ましてくれる方がいらっしゃいますが、年々アルコール耐性は弱まっているようで頭痛は激しくなるばかりなのでどうにも不思議です。ただ、そんな僕でも日本酒は好きです。日本酒が一番好みだなと思いますが、僕だってビールの最初の一口は格別に美味いなと思いますし、本格焼酎やウイスキー
2024/11/06㈬ 僕らの休日のひとコマの話 三連休明けの営業日はだいたい落ち着いていることも多く、昨日は久しぶりにおでんの仕込みやお客さんとの会話をのんびりさせて貰いながら過ごせました。元々話すのは好きな夫婦なもので、昨日のような日はありがたい。休み明けに「三連休はどう過ごしましたか?」という話になるのは定番の話題の一つです。のんびりした人、飲みに行った人、山に行った人様々で、その話も昨日はゆっくり聞けました。 僕らはと言うと土曜日は営業、日曜日は杉玉作りとお
2024/11/05 毎年恒例行事の話 神保町にお店を開いてからと言うものの、毎年11月3日の文化の日は杉玉作りの日と決めています。千葉県の旭鶴という酒蔵さんと地元の工房が主催して下さるイベントで、僕達はかれこれ6回目の参加になるのかな。 会場には青々とした杉っぱ(杉の葉)が山のように積まれていて、それを使って自分達で一から杉玉を作り上げます。最初は勝手が全然わからないのですが、周りには何度も参加している熟練の方達も多く、分からないことがあれば初対面などお構いなく色々
2024/11/02 足の怪我と、歩くことが好きな話 多分、昨年の秋に一度足を痛めたと思います。山を歩いている時に右足首をグニッとやった自覚はありしたが、まぁ右足首がちょっと痛いよねという状態は割と日常茶飯事だったのでそれを放置してトレーニングを続けていました。 それが根本的な原因かと言われると別にそうでもないような気もしますが、決定的に足を痛めたのは今年の一月にトレイルランニングの練習会に参加したとき。雨の中山を走っている時に水たまりに足を突っ込み、そこでまたグニ
2024/11/01 秋のお酒の話の続き 昨日は長々とひやおろしの由来や秋のお酒が出荷される時期によって呼び名が違うということについて書きました。 秋のお酒(ひやおろし)の呼び方は、夏越し酒、秋出し一番酒、晩秋秋酒と時期によって変わります。じゃあ『秋』って何なんだと気になって、今日は秋の呼び名について調べてみることにしました。 初秋、中秋、晩秋と秋も時期によって名前が呼び分けられていることくらいはさすがに僕も察しがつきました。と思ったら、早速わからないことが出てき
2024/10/31 秋のお酒が似合う時期になってきて 都心もだいぶ涼しい、と言うよりむしろ肌寒い日が続くようになりました。白山通りには銀杏の実が至る所に落ち始めて、所によっては凄まじい秋の香りを放っています。これを踏まないように歩くのが難しい。 日本酒業界では秋には『ひやおろし』と言うお酒が出回りるようになります。早い酒蔵は8月頭から出荷し始めるもので、さすがにそんなに早く出す酒は季節感よりも色んな都合を優先してるだろと勘ぐって僕は手を付けたくねぇなぁと思います。