おぐてら

東京で小さな日本酒のお店を営む夫婦。 山が好き、旅が好きな夫と 音楽とお酒が好きな妻。…

おぐてら

東京で小さな日本酒のお店を営む夫婦。 山が好き、旅が好きな夫と 音楽とお酒が好きな妻。 旅の記録や日々のことを少しずつ。 ※山のことは【Steps】 日々のことは【Scene】として記録 2019/4月〜2019/5月  スペイン巡礼(カミーノ)を歩きました。その日記も少し

最近の記事

「また来たよ」って言える山《編笠山/青年小屋》

 僕たちの山の会では夏の富士山が終わったあと、9月になるとある山へ行くことが恒例行事になりつつある。山梨県北杜市の編笠山である。目的は絶景と酒。「山登りなのに酒?」と思うかも知れないが、何を隠そう編笠山の鞍部にある青年小屋と言う山小屋は、別名『遠い飲み屋』と呼ばれて酒飲み山屋達の間ではちょっとしたホットスポットになっているのだ。酒場の山の会としては、飲み屋と言われて行ってみないわけには行かない。そんな軽い気持ちで訪れたのがきっかけだった山は、今となっては「また帰って来たくなる

    • 【Step12】雪と花〜針ノ木岳

      7月の富士山以来なにかとバタついてしまって山へ行くことが減ってしまっていた。一ヶ月強ぶりに友人達と出かけた登山の行き先は、長野県大町の針ノ木岳。紅葉にはまだ少し早いものの初秋の雰囲気を楽しみに訪れた。 針ノ木岳概要【針ノ木岳について】   針ノ木岳の標高は2,821m。飛騨山脈の北東部、黒部川中流部の東側を北は白馬岳から南へ五竜岳、鹿島槍ヶ岳をなどを経て針ノ木峠へと連なる後立山連峰の南端に位置する山である。日本二百名山、日本百高山に数えられる名山で、特にピラミッド型の山容

      • 【Step11】憧れの頂へ… 富士山(7/20㈯〜7/21㈰)

         お店のお客さん達と行く月一回の山の会。今回はいよいよ日本一の山、富士山にチャレンジする。僕たちの山の会の始まりは「日本一の富士山に皆で登ろうぜ!」という酒場での会話から始まって今年で3回目。毎月の登山を積み重ねて、年に一回のこの富士山への挑戦が集大成ということになる。今年は総勢11名でのチャレンジだ。 山行計画(往路/復路)  往路は富士宮口からスタートしてプリンスルートを登っていく。プリンスルートとは、天皇陛下が皇太子殿下だった頃の2008年に登られた事が由来となった

        • 【Step10】川のせせらぎが聴きたくなって 御岳山

          涼を求めて御岳山へ行った話 コンクリートジャングルは暑すぎる  今年も暑い。いや、例年よりもずっと暑い気がする。関東はまだ梅雨も明けていないのに連日猛暑で、35度を超えるのはもう仕方ない様な気さえしてしまう。静岡県では40度を超えてしまったようだ。  「こんなに暑いともう平地にはいられない。」 そう思って先日、定休日明けの早朝に衝動的に駆られて御岳山に行ってきた。毎日のようにうだるような暑さが続くなか、ついつい川の音が聴きたくなったのだった。  始発電車に乗って何度か電

        「また来たよ」って言える山《編笠山/青年小屋》

          【Step9】箱根 最乗寺と明神ヶ岳巡り

          お店の皆と行く山の企画。6月は箱根、明神ヶ岳へ行く。登山前に大雄山 最乗寺を散策してから明神ヶ岳を登るコース。梅雨に差し掛かり悪天候が心配されたが、何とかかんとか催行できた。緑の深まるいい時期だ。 コース詳細【集合場所】箱根登山鉄道大雄山線 大雄山駅8:50 バスに乗り最乗寺へ向かい、境内を散策。 奥の院横から山道に入り登山開始した。 登山口(10:00)→鉄塔(10:30)→840m地点(11:30)→明神ヶ岳山頂(12:50)→970m地点(13:50)→明神ヶ岳登山口

          【Step9】箱根 最乗寺と明神ヶ岳巡り

          【Step8】信仰と花の山 谷川岳〜西黒尾根

           前回の雲取山に引き続き友人達との登山。「日本三大急登を登るぞ。」と息巻いて、群馬県は谷川岳に向かった。事前の天気予報では天候が怪しく、あまり長居は出来ないなと言うことで出発を早出して、早めに下山しようということで西黒尾根を歩いた。動画投稿サイトなどでしきりに「魔の山」と煽られる谷川岳だが、実際は… 谷川岳について概要  谷川岳は上信越高原国立公園に属する、トマの耳(1,963m)とオキの耳(1,977m)の2つのピークからなる谷川連峰の中心となる山である。「トマ」と「オ

          【Step8】信仰と花の山 谷川岳〜西黒尾根

          【Step7】平将門の足跡を辿りながら〜雲取山

           「東京都で一番高い山はどこでしょう?」と聞かれてどのくらいの人が答えられるのかと言うのは気になるところだ。山に登る人なら当たり前のように答えられるのだろうが、登山が趣味でもなければそんな山は知らないと言われても無理はない。大都会東京のビル群のイメージが強烈過ぎて「2,000mを超える山がある。」なんて思いもしないだろう。  今回は東京都最高峰に登りたいと言う友人と新緑の森歩きを楽しみながら、奥多摩の雲取山へ行く。 雲取山について概要  深田久弥の日本百名山にも数えられて

          【Step7】平将門の足跡を辿りながら〜雲取山

          《Step6》はじめての山小屋〜金峰山

           お店の皆と行く山の企画。今月は山梨県と長野県の境にある日本百名山、金峰山だ。  金峰山は奥秩父の父と呼ばれた登山家、山岳研究者の木暮理太郎(1873-1944)に「百貫の貫禄を具へた山」と評された美しい山である。僕個人としてここへ来るのは積雪期に2回と、夏の奥秩父主脈全山縦走の際に訪れた1回を含めて4回目の登山になる。何度でも来たくなる山。今回は金峰山小屋に泊まり山頂から日の入り、日の出を堪能するコースを歩いた。 金峰山について「甲州御岳山」と呼ばれる信仰の山  標高

          《Step6》はじめての山小屋〜金峰山

          【Step5】春の歴史探訪ハイク(御岳山〜日の出山)

           お店の皆と行く山の企画。今回は、春の御岳山。 コース概要は以下の通り。()内は通過時刻。 JR古里駅(9:00)→丹三郎尾根→中ノ棒山(11:00)→大塚山(11:15)→御岳山/武蔵御嶽神社(12:20)→日の出山(13:30)→つるつる温泉(15:10)下山 コースタイムは6時間10分。 歩いた距離は約12km。 標高差は登り1117m、下り1029m。 山行記録春の丹三郎尾根  直前まで危ぶまれた天候もなんとかもち、今回の山行も雨にやられることなく行うことが出

          【Step5】春の歴史探訪ハイク(御岳山〜日の出山)

          【Scene9】僕たちのthe least common denominator

          ひとりごと インバウンドが増えた。らしい。  最近、神保町を歩く外国人が増えた。世界を見ても有数の古書店街であるから、元々そういうコアな層には人気があったのだろう。コロナ禍で一時期街から外国人が消えた瞬間はあったけれど、あの時は外国人に限らず人が街から消えた。それが戻ってきたと言えば戻ってきたのだけど、それにしても以前よりもずっと増えたような気がする。  古書と言ってもその分野は幅広く、神保町には学問からコミックまで全てが散りばめられている。ある人にとっては宝物のような一

          【Scene9】僕たちのthe least common denominator

          《Step4》鹿沼アスレチックハイク(04/07)

           「岩場を歩く練習がしたい。」と言う友人に誘われて、栃木県まで行ってきた。鹿沼市に丁度いい山があるらしい。その名も岩山。いかにもな名前にどんな山なのか興味が湧いた。 鹿沼岩山(328m)栃木百名山  栃木県鹿沼市にある岩山は、標高328mの低山だ。高さだけ見れば千葉の山々とそう変わらない里山だが、この山の良さは手軽に岩場歩きを楽しめることにある。三番岩、二番岩、一番岩(岩山山頂)と岩続きの尾根を歩き、最後には猿岩と呼ばれる70mに及ぶ長大な鎖場を下るルートもある。この猿岩

          《Step4》鹿沼アスレチックハイク(04/07)

          《step3》秩父の絶景ハイクと酒蔵探訪

           今月も皆と山に登る企画の日がやってきた。今回登る山は、埼玉県は秩父にある丸山(960.3m)だ。西武秩父線の芦ヶ久保駅からスタートし、丸山まで登り、金昌寺まで下る。下山後には皆さんお待ちかねの酒蔵訪問。秩父の銘酒、武甲正宗を醸す武甲酒造にお伺いするというプラン。今回は春の低山ハイク&酒蔵見学ということもあって参加人数も14人と増えて、賑やかな山行になりそうだ。 秩父丸山について  埼玉県の山と言えば何が浮かぶだろう。上州寄りには峻険な岩場を擁する二子山や、日本百名山にも

          《step3》秩父の絶景ハイクと酒蔵探訪

          春のおとずれ(Scene8)

           年始から続く脚の怪我もあってなかなか腰が重くなっていた平日の高尾山トレーニングも、ようやく再開する気になってきた。と言っても自分で奮い立ったわけではなく、友人がたまたま今時期平日に時間があって暇だと言うので、それなら一緒に高尾山でも行こうかと誘っただけなのだけど。  一度途切れた習慣を再開させるのはなかなか難しい。何かきっかけが必要だった。幸い高尾山は天気予報も良いと言うので、彼と久しぶりに高尾山から小仏城山を歩いてみることにした。二人で山を歩いたのは一度きり。13年前に

          春のおとずれ(Scene8)

          Love小諸酒(Scene7)

          「千葉酒をメインでやっております。」 そうは言っていても、全部が全部千葉のお酒だけと言うわけでもない。千葉以外のお酒も一定割合用意するようにはしている。だいたい千葉酒8:その他2というくらいだろうか。  千葉酒以外はどんなお酒があるのかと言うと、その殆どは僕達が旅先で出会ったお酒だったりする。僕は山登りが趣味ということもあって、出先に酒蔵があると入らずにはいられないし、買って飲んでみずにはいられない。必然、所謂“山の酒”の割合は多いような気がする。山とお酒は切っても切れない

          Love小諸酒(Scene7)

          山とお酒の買い出し(Scene6)

           先日久しぶりに雪山へ行った。どのくらい久しぶりかと言うと、もう10年近くぶりの様な気がする。アイゼンやワカン、ピッケルの使い方はもちろん、そもそもそれらが錆びついていないか、ウェアが経年劣化でやられていないか、そう言う確認を一つ一つするところから始まった。幸い道具で使えなくなった物はない。良かったよぅ。これ、一つ買ったら何万円するんだよっていうものばかりだから。 今回の行き先は群馬県の谷川連峰の一つ、白毛門。  人気の理由がわかる、素晴らしい眺望だった。白毛門まではひた

          山とお酒の買い出し(Scene6)

          春酒の季節(Scene5)

           急に暖かくなったかと思えばまた寒くなってしまったり、ここ最近は着たり脱いだりが忙しい。暖かくて風が気持ちいいから入口のドアを開けておくかと思えば、花粉のせいか鼻がムズムズする。だけど、まだ認めない。僕が鼻をすすっているのはきっと目の前で切っている葉たま葱のせいだから。  お客さん達は気温に敏感だ。その日が暖かい、寒いによって日本酒も冷で飲むか燗で飲むかを切り替える。酒が飲めない店主からすると、気分や気候で飲み方を変えられるのは粋で羨ましいと思う。  まだまだ店では熱燗の

          春酒の季節(Scene5)