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No.589 小黒恵子氏の記事-9 (児童合唱団対象の音楽賞)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回は、1996年に東京新聞に記載された「花とライオン児童合唱音楽賞」の記事のご紹介です。

児童合唱団対象の音楽賞 童謡作家小黒さんが創設 
   
NHKの「みんなのうた」などで数々の作品が知られ、高津区諏訪の自宅を開放した「童謡記念館」を運営する童謡作家の小黒恵子さん(六七)が、全国でも初めてという少年少女合唱団を対象とした音楽賞を設立した。運営委員会は、趣旨に賛同してさまざまな分野から集まった文化人らで構成。全国各地で地道な活動に取り組む合唱団を、今年から年に一団体ずつ表彰していく予定で、受験競争の影響で、活動の沈滞に悩む関係者からも歓迎の声が高まっている。

花とライオン児童合唱音楽賞  毎年全国から1団体表彰 運営委員高木東六さんら7人
7月に第一回授賞式
賞の名称は「花とライオン児童合唱音楽賞」。個人の名前を冠した芸術賞が多い中で、「花は美しさ、ライオンは強さを意味。自分があこがれていた二つの世界を象徴させ、賞の価値を高めたかった」という。
運営委員会は、小黒さんと親交の深い文化人ら七人で構成し、委員長に就任する予定の作曲家の高木東六氏のほか、写真家の秋山庄太郎氏、元上野動物園長の浅倉繁春氏らが名を連ねている。
今月下旬にも第一回の委員会を開き、今後の運営について話し合うが①毎年全国から一団体を表彰②表彰団体には助成金として百万円を授与③「童謡記念館」が開館した七月に授賞式を行う―ことなどが決まっている。
子供たちの合唱団は、学校のクラブ活動を除いても全国に数百団体があるといわれる。それぞれ個性的な活動に取り組み、全国規模で名前が知られる団体も多いが、最近は受験競争の激化で年々団員の減少が続き、子供たちの合唱離れが悩みとなっている。
「音楽は子供たちの情操教育に重要なもの」との考えから、こうした状況を心配していた小黒さんは「もっと合唱団の活動にだれかがスポットをあてないといけない」と私財を提供して、賞を設立することを思い立ち、永続的な事業とするため、二年がかりで、文部省の公益信託児童合唱音楽振興基金の認可を受けた。
小黒さんは「合唱団の世界は注目されることも少ないが、資金集めから練習場の確保などまで、大変な苦労を抱えながらやっている。賞の設立が、こうした人たちの励みとなり、合唱の発展につながれば」と話している。

東京新聞 平成8年(1996年)1月6日

現在は、川崎市に遺贈され、リニューアルしてオープンしています。色々とイベントも行っていますので、当館ホームページでご確認ください。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回も、1996年に新聞に紹介された小黒恵子氏の記事を、ご紹介します。(S)

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