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詩のご紹介269 藤舞い(小黒恵子作)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今日は、歌曲集「花ものがたり」(三木稔作曲)から、第3作目は「藤舞い」をご紹介します。
 前書きには、次の様に書かれています。

 花にはそれぞれの思い出があります。
 そして花には物語があります。
 この歌曲集《花ものがたり》の詩のなかには、私の花への思いが、織り込まれています。
 歌曲集《花ものがたり》は、私にとって2回目の芸術祭参加作品です。1回目は日本ビクターの委嘱による昭和47年度の芸術祭参加作品、童謡《ハダシとハダカ》--野原のなかまたち--でした。
 花は人生に彩を与えてくれる、なくてはならない美しくやさしい友達です。
 花には心があります。生命があります。
 私はときどき花と対話することがあります。
 そのとき互いに心のベルが響きあうのを感じるのです。
 この歌曲集《花ものがたりは》は、花たちに贈る私の愛の讃歌です。
 三木稔先生の作曲は、それぞれの花の詩に色とりどりの、きらめく生命を与えて下さいました。14編の花々と共に深く感謝してやみません。

                         1996年10月16日
                            小黒恵子
藤舞い
小黒恵子作詞/三木稔作曲

風になびく 藤の花
ゆかしくせつなく ゆれている
甘い香りを 漂わせ
若紫の 長い髪を偲ばせて
ゆらりふさふさ あでやかに
ゆらり舞い舞い 誰を待つのか
            藤の花

霞にけむる 藤の花
雅(みやび)になびいて ゆれている
深い香りは ため息か
若紫の 熱い想いを偲ばせて
ゆらりふさふさ あでやかに
ゆらり舞い舞い 誰を待つのか
            藤の花

 最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
 次回は、歌曲集「花ものがたり」 の中より「紫陽花」をご紹介いたします。(S)

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