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詩のご紹介173 草の匂い(小黒恵子作) ~エメラルドの約束

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回の詩は、大人の詩集第2作目「エメラルドの約束」から、「草の匂い」(リンゴに雨が降るように)です。

「詩集:エメラルドの約束」については、下記をご覧ください。

まずは「目から」。

草の匂い
~リンゴに雨が降るように 「エメラルドの約束」より~
小黒恵子作

見上げる空を 鳥がとんでく
流れる雲が ひかってる
二人は青い草に ねころび
両手で風を にぎってみた
あなたの声が 昨日のように
あたしの胸に やさしく聞える
思い出抱いて 草の匂いの
風の中で 眠りたい

あなたは風のような 人だった
あたしのこころ 連れてった
ひとりで今日も 野花を摘(つ)んで
あたしはなにか 待ってるの
瞳を閉じた 静かな心に
過ぎ去った遠い 足音がきこえる
あなたの名前を 草の匂いの
風に向って 呼んでみる

 次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝
 
 最後まで、お読みお聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「それでいいのね」(「エメラルドの約束」~リンゴに雨が降るように~)です。(S)

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