詩のご紹介52　ピエロの　ノミ（小黒恵子作）　～シツレイシマス

　こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
　童謡集「シツレイシマス」の作品をご紹介していきます。
　今回の詩は、「ピエロの　ノミ」です。

　「童謡集：シツレイシマス」については、下記をご覧ください。

ピエロの　ノミ
～シツレイシマス　「Ⅰ　シツレイシマス」より～
小黒恵子作

ヒナゲシの種みたいに　小さい僕
だけどお腹もへるし　恋もするよ
おひるねも　好きだし
ときどきいたずら　したくなる
あの子のかわいい　鼻のうえに
ホクロをひとつぶ　つくっちゃう
ルルルル……
きずかれたときは　チクッと
お熱いキスして　逃げるのさ

ふしぎな忍者（にんじゃ）みたいに　すばやい僕
だけど食べすぎたとき　カンがにぶる
おしゃべりも　好きだし
ときどきいじわる　したくなる
お祈りしている　神父さんの
おへそをチクチク　つついちゃう
ルルルル……
きずかれたときは　チクッと
お熱いキスして　逃げるのさ

いつでもどうけている　ピエロの僕
だから淋しくなるし　歌もうたう
ダンスも　好きだし
ときどきいいことも　したくなる
目ざまし時計　ない人を
やさしく起こして　あげるんだよ
ルルルル……
きずかれたときは　チクッと
お熱いキスして　逃げるのさ

　最後までお読みいただき、ありがとうございます。
　次回は、（童謡集：シツレイシマス　Ⅱカボチャのたね）より「けやき」です。（Ｓ）