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詩のご紹介274 アネモネ(小黒恵子作)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今日は、歌曲集「花ものがたり」(三木稔作曲)から、第8作目は「アネモネ」をご紹介します。
 前書きには、次の様に書かれています。

 花にはそれぞれの思い出があります。
 そして花には物語があります。
 この歌曲集《花ものがたり》の詩のなかには、私の花への思いが、織り込まれています。
 歌曲集《花ものがたり》は、私にとって2回目の芸術祭参加作品です。1回目は日本ビクターの委嘱による昭和47年度の芸術祭参加作品、童謡《ハダシとハダカ》--野原のなかまたち--でした。
 花は人生に彩を与えてくれる、なくてはならない美しくやさしい友達です。
 花には心があります。生命があります。
 私はときどき花と対話することがあります。
 そのとき互いに心のベルが響きあうのを感じるのです。
 この歌曲集《花ものがたりは》は、花たちに贈る私の愛の讃歌です。
 三木稔先生の作曲は、それぞれの花の詩に色とりどりの、きらめく生命を与えて下さいました。14編の花々と共に深く感謝してやみません。

                         1996年10月16日
                            小黒恵子
アネモネ
小黒恵子作詞/三木稔作曲

少女の日 誕生日に
アネモネの 花束を
届けてくれた 美しい少年
その日から アネモネが
好きになった わたし

遠いページ 心にそよがせる
アネモネ

歳月(としつき)の 隔り遙か
今ここに 停年の
便りをくれた 昔の少年
久しぶり アネモネを
花瓶に活けた わたし

なぜか少女のように ときめいて
アネモネ

なぜか風のように 気まぐれな
アネモネ

 最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
 次回は、歌曲集「花ものがたり」 の中より「白蓮」をご紹介いたします。(S)

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