詩のご紹介280 おだまきの花(小黒恵子作)
こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
今日は、歌曲集「花ものがたり」(三木稔作曲)から、第14作目は「おだまきの花」をご紹介します。
前書きには、次の様に書かれています。
花にはそれぞれの思い出があります。
そして花には物語があります。
この歌曲集《花ものがたり》の詩のなかには、私の花への思いが、織り込まれています。
歌曲集《花ものがたり》は、私にとって2回目の芸術祭参加作品です。1回目は日本ビクターの委嘱による昭和47年度の芸術祭参加作品、童謡《ハダシとハダカ》--野原のなかまたち--でした。
花は人生に彩を与えてくれる、なくてはならない美しくやさしい友達です。
花には心があります。生命があります。
私はときどき花と対話することがあります。
そのとき互いに心のベルが響きあうのを感じるのです。
この歌曲集《花ものがたりは》は、花たちに贈る私の愛の讃歌です。
三木稔先生の作曲は、それぞれの花の詩に色とりどりの、きらめく生命を与えて下さいました。14編の花々と共に深く感謝してやみません。
1996年10月16日
小黒恵子
おだまきの花
小黒恵子作詞/三木稔作曲
せつない想いを 内に秘め
淋しげに 山路に咲く
うす紫の おだまきの花
しずやしず
しずのおだまき くり返し
むかしを今に なすよしもがな
吉野山
峰の白雪 踏み分けて
入りにし人の あとぞ恋しき
希望と悲しみを 紡(つむ)いで
静(しずか)の 心を伝(つと)う
うす紫の おだまきの花
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
今まで、詩を280篇ご紹介してきましたが、これで出版されている(いた)詩は最後になります。
次回からは、雑誌等に投稿された詩たちをご紹介いたします。(S)
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