見出し画像

詩のご紹介184 紫陽花(小黒恵子作) ~エメラルドの約束

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回の詩は、大人の詩集第2作目「エメラルドの約束」から、「紫陽花」(サンドリエ)です。

「詩集:エメラルドの約束」については、下記をご覧ください。

まずは「目から」。

紫陽花
~サンドリエ 「エメラルドの約束」より~
小黒恵子作 

六月の雨は うすむらさき
うすむらさきの花は 紫陽花(あじさい)
あじさいの花言葉は 心変り

信じることは
悲しみを呼ぶことなのでしょうか
でもそのとき信じることは幸せでした
一つの傘によりそって
肌のぬくもりを感じながら歩いた雨の道

野辺の草花をつむように
ひとつひとつ集めておいた愛の言葉さえ
すっかり忘れて

あじさいの花が
雨にぬれてゆれていました

「君によく似た女の子が欲しいな
ママになってくれる?」

月日は流れ 季節はめぐって
あの日と同じように今年も
あじさいの花が
雨にぬれて静かに咲いています

でも
あの人はパパになったけれど
あたしはママにならなかった
どこかで狂ってしまったのかしら
そんなものなのね人生なんて

 次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝
 
 最後まで、お読みお聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「ひとりになりたい」(「エメラルドの約束」~サンドリエ~)です。(S)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?